• 嘘つきは殿様のはじまり 1

    ガチでシリアスな戦国時代活劇

    タイトルと表紙で決めつけてはいけない

    可愛らしい絵柄の表紙とストーリーが推測出来るようなタイトル。
    これだけでお気楽お花畑な出世物語、或いは嘘に振り回されるドタバタコメディー、などと思ってはいけない。
    これはガチでシリアスな戦国時代活劇だ。

    平たく言えば、気弱で臆病者の少年が意に染まず武士の社会に投げ込まれ、その中で逞しく生き抜いていく成長物語。
    これが一貫して物語の主軸なのは間違いない。

    しかし、この作品はそれだけではない。

    史実を巧みに織り込んだ骨太なストーリー。
    脇を固める魅力的な登場人物たち。
    息をも付かせぬこの時代ならではの展開。

    血沸き肉踊る...続きを読む

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  • 天空聖龍~イノセント・ドラゴン~ 9巻

    手放しの大団円ではないものの

    手放しのハッピーエンドではないものの、収まるべきところに綺麗に収まった良作だと思います。

    基本的にシリアス路線で、人間の業が前面に出ていたり、考えさせられる事が多く割とヘビーな話なので、みんな笑顔のご都合展開で終わる方が却って嘘臭いかと。

    伏線の張り方も見事で、何気ないセリフやエピソードがしっかり効いていて、全9巻にも及ぶ長編ながら飽きさせることなく山口先生の構成力に唸らされます。


    最終話は読者それぞれに想像する余地を残した終わり方で、とても良い匙加減だと思うのですが、伏線や微妙な表情が上手く読み取れずに起こった現象のみを捉えるとアンハッピーエンドに見えてしまうのが難しい...続きを読む

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