• 物語の創作バイブル――電子書籍作家 夢野美鈴のABC

    予想を大きく裏切られた

    予想を大きく上回るどころか、量質ともに予想もつかない遥かに超えた内容だった。
    有名処のジョセフ・キャンベル理論やシド・フィールド理論、大塚英志などの基本を踏襲しながらも、それらの類型化は不要だとばかりに、外国の神話ではなく国内の昔話「力太郎」を持ち出して、より普遍的な物語創りの構造をさらりと述べてしまう。夢野美鈴と言う人は本当に凄い人だなぁと感心した。
    ある意味、これはレビューを悪く書きたくなる。これを読んだら誰でもおもしろい小説が書けてしまうからだ。レビューを悪く書いてほかの読者を遠ざけ、こっそり読んでいるライターも多いだろう。正直、売れてほしくない本である。

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