ブロンズ
レビュアー
  • チェンソーマン 24
    ネタバレ

    これまでの過程を破壊するラスト

    『チェンソーマン』2部最終回を読んだ率直な感想は長く作品を追いかけてきた読者として素直に残念な気持ちになった。

    結末に至るまでの過程があまりにも急で、多くの伏線や因縁、謎が説明されないまま終わってしまった。

    ポチタの正体や能力の詳細、世界が改変された仕組み、チェンソーマンという存在が結局どうなったのかなど、最後までよく分からない部分が多かった。読んでいて「何巻か見逃したのでは?」と思うほど展開が飛躍しており、夢オチなのか世界再構築なのかも含めて困惑が残る。

    特に気になったのは、これまでの物語の重みが希薄になってしまったこと。もし世界改変によって多くの悲劇がなかったことになるのなら、第一部で描かれた犠牲や苦しみは何だったのか。アキやマキマとの関係、デンジが失ってきたものの意味はどこへ向かったのか。読者が愛着を抱いてきた人物たちの人生が、別の世界線の幸福と引き換えに処理されたようにも見えた。

    また、アキの存在がほとんど触れられなかったことには寂しさを感じた。デンジ、パワー、アキの三人の関係は第一部の大きな魅力だっただけに、もう少し何か見せてほしかった気持ちがある。

    最後に、この結末は「デンジが何を選び取ったのか」が曖昧である点が読後感を悪くしている。物語の終盤まで、デンジは満たされない欲望や幸福のあり方を問い続けていた。しかし最終的な変化は彼自身の決断というより、ポチタによる世界改変の結果として与えられたように見える。主人公が苦しみ、悩み、選択した末に掴んだ幸福ではなく、外部からもたらされた幸福であるため、達成感よりも、唐突に与えられたという感覚が強く残った。

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    2026年06月04日