毒親持ちの当事者しか分からない
あらい先生の新作ということで、思わず読みました。
私の両親も、毒親です。父はお酒を呑んでは暴力、シラフでも、モラハラや人格否定、「殺してやる」などの暴言等、人間ではない行動に、長年苦しめられてきました。母も、世間体や自分の気持ちを優先的にし、私には、常に体裁を強いてきました。愚痴の捌け口にもされました。そして、結婚して、今、私にも息子が生まれましたが、どうやったら毒親にならないか、毎日、試行錯誤の日々です。息子はかわいい。しかし、まともな愛情を受けてこれなかった私は、最近、あらい先生と同じように、息子に嫉妬していると気づいてしまいました。こんなにも愛してあげているのに、何が不満なのよ!と。とてもドス黒い感情です。
また、父に、お風呂を覗かれたり、子どもである私の胸を見ては、いやらしい発言をされたり。それを母に伝えても、とりあってもくれない。母の「私が1番不幸なのよ!」という話は、何回聞かされたか。それでも離婚しないのは、「あなた(子ども)のためなのよ」。私の母も、多分、父のことをずっと好きでいたからでしょう。こんな暴力を振るわれても、夫婦関係を続けてきているのは。
あらい先生の描いているこの作品は、まるで私の自叙伝か⁉︎と思うほど、共通しているコトが多くてビックリです。この気持ちは、毒親持ちの当事者だけしか分かりづらいかもしれません。しかし、最後に、あらい先生の、「私の家族と生きていきたい」という決心については、毒親関係なしに、今、自分の築いた大切の家族を守るためなら、と、奮い立たせられました。私は、こんなにも両親に酷いことをさらたけど、我が子のためにも、できる限り、向こう側に「堕ち」ないように自制したいです。そのためなら、母として、向き合っていかなくちゃな。ドス黒いこの気持ちと。そんな勇気をもらいました。