あらすじ
貧しいスコットランド移民の子から全米の鉄鋼王となり、後半生は公共事業や世界平和の実現に尽くしたカーネギー。その圧倒的な楽観主義に裏付けられた成功哲学と社会福祉への思いが綴られた感動の自伝。カーネギーを敬した渋沢栄一が本邦初訳版に寄せた序文ほかを新たに収録。〈解説〉亀井俊介/鹿島 茂
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Posted by ブクログ
1800年代後半に鉄鋼王と呼ばれたアンドリュー・カーネギーの自伝で、亡くなる5年前の第一次世界大戦の開始に失望して書かなくなるまでの内容が網羅されています。
スコットランドの貧しい織物職人からアメリカに移民し、その後のしあがった典型的なアメリカン・ヒーローなのですが、カーネギーが賞賛されるのは、実業界から退き、「富は神より委託されたもの」との信念に基づいて、教育施設や平和機関の設立など福祉事業にもてる資産を投じ、慈善事業家として第二の人生を送ったことがあげられます。
現代の富豪であるビル・ゲイツやバフェットが慈善活動に積極的に取り組む源流といっていいでしょうし、労働者への還元もあの時代にしては相当配慮している経営者でESGあたりの考えにも通じるところはあるでしょう。
Posted by ブクログ
12歳で家族でスコットランドからアメリカに移住し、ほぼその直後から働き始めてUSスチールの前身となる企業を持つに至った「鉄鋼王」の自伝。
仕事の才があって上役、経営者に目をかけられて引き上げられていくことがキャリアのスタートで、そこから起業につながっていく。
社会変化への着目、イノベーションの採用がキーなのだと思うが、本人の回想ではあっさり触れられていてわかりにくい。
キャリアのことを語るのはそこそこに、自らの思想、信条を語ることに移行していくので「自伝」が読みたい者としてはちょっとガッカリ。
もちろん、偉大なる起業家、古典的な意味での「アメリカンドリームの体現者」なので、その考え方に興味がある人もいると思うが。
こういう風に10代前半から働き始めて成功する人というのは、アメリカにとって重要なロールモデルなのだろうな。
「人生ゲーム」に「ビジネスコース」が設けられていることの意味合いがようやく理解できた。