【感想・ネタバレ】被爆者からあなたに いま伝えたいことのレビュー

あらすじ

ふたたび被爆者をつくらないために――一九四五年八月の原爆投下によってこの世の地獄と化した広島と長崎.その苦難の中から立ち上がった被爆者たちは,原爆が心身にもたらす苦しみとたたかいながら,被害の実相を訴え,原爆投下の責任を問い続けてきた.核のない世界の実現を願い,次世代に伝えるメッセージ.

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Posted by ブクログ

直接的な身体的被害だけでなく、その後も引き摺るこころとからだの傷、社会との不調和は想像を絶するものだと思う。計り知れません

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2025年02月05日

Posted by ブクログ

 この岩波ブックレットは、ひまわりめろんさんからの紹介です。ありがとうございます。
 2021年の発行、被団協(日本原水爆被害者団体協議会)編です。被団協は、1956年に結成された被爆者が主体の唯一の全国組織で、核兵器廃絶に関わる草の根的活動と国際的な貢献が評価され、昨年末にノーベル平和賞を受賞したのは周知の通りです。

 被団協運動のこれまでのあゆみを中心に、原爆がもたらしたもの、未来に向けた踏み出す知恵と勇気の一端を学ばせていただきました。
 恥ずかしながら、地理的なこともあり、広島も長崎も足を踏み入れたことがありません。さらに、自分が住むこの地方の県にも、被団協組織があることを知りませんでした。
 日本被団協の加盟団体は、かつて全都道府県にあったものの、会員の死亡等で11県で解散または休止しているようです。近い将来、実体験としての証言者がいなくなることを心配してしまいます。

 2021年、批准国50か国で「核兵器禁止条約」が発効(2017年国連で採択)するも、世界唯一の被爆国である日本がこの条約に調印・批准していない事実、政府の一貫した原爆被害への国家補償の拒否、アメリカの「核の傘」への依存と忖度など、全く腹立たしい限りです。

 それでも長きにわたって決して諦めず、核兵器の反人間性と核兵器廃絶を国内外で訴え続けてきた被爆者の方々には、本当に頭が下がります。
 今年は太平洋戦争終結から80年の節目の年ですが、広島・長崎への原爆投下、即ち被爆80年とも言えます。より多くの方が関心を寄せ、『被爆者からあなたに ーいま伝えたいことー』の声が、届きますように…。



※ 小冊子シリーズ「岩波ブックレット」は1982年の創刊。このシリーズ、もっと早く読んでいたら、もう少し広い視野に立った賢い人になっていたかなぁと今更思います。

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2025年01月13日

Posted by ブクログ

・日本は、誰に命令されてるか知らないが、核を持ちたい
・日本政府は、国民を守る気はない
ということが、よく分かる1冊であった。

同時に、名も無い市民継続した活動の力強さも感じられた

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2023年04月27日

Posted by ブクログ

2024年にノーベル平和賞を受賞するまで、日本被団協は国内でもそれほど知られていなかったと思う。1956年の結成以来、地道な活動を国内外で続けてきて、国際的に認知されて表彰されたのは素晴らしく、頭が下がる。被団協の目標は、ふたたび被爆者をつくらないこと、核兵器のない世界である。
本来であれば日本政府が主導し被爆の被害を調査し補償すべきところだが、戦後の日本政府は及び腰であった。一部の政治家はその他の戦争被害者と原爆被害者を区別しないという考えだった。
核兵器禁止条約が発効したのは原爆投下から76年後の2021年である。その後の現在も世界に1万発以上の核兵器が存在しているという。それ以上に驚くべきことは、唯一の被爆国日本がこの条約に署名していないことである。米国への配慮だそうだ。
本書を読んで、原爆の被害というのは何代にもわたって続くということ、肉体的な被害だけでなく、大切な人を救えなかったという心の傷、被爆者の将来の健康への不安、など苦しみが一生残ることを改めて認識した。

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2025年06月10日

Posted by ブクログ

毎年8月には太平洋戦争、特に原爆に関する書籍を読むことにしてるんです
真面目!

いやでもね、このレビューを読んだ人のひとりでも、よし自分も!って思ってもらえたら、なんかいいなと思ったりもするのです

というわけで、今年はふたたび被爆者をつくらないために、核兵器廃絶を目指すヒロシマ、ナガサキの被爆者たちの活動をまとめた岩波ブックレットの『被爆者からあなたに』を読んでみました

うーん、よく言われてることだけどさ、日本は世界唯一の被爆国なわけで、だからこそ核兵器廃絶に向けて先頭を切るべきだと思うんよね
それが今の体たらくよ

しかも被爆者に向かっての日本政府の姿勢は長いこと「受忍すべき」で、国家補償も拒んできました
要するに我慢せぇ!ってこと

「国をあげての戦争」による被害は国民ひとしく「受忍」すべきだ…だそうです


被爆者の方が、辛い心の傷に耐えながら語った言葉を書き残します
すごいです
二度と繰り返してはいけません

「助けられた瞬間から、私は息子と自分だけが生きる事しか頭になかったのです。逃げる途中でした。私の足をつかんだ子ども、片目が飛び出し顔の真んなかにぺたっとはりつき、その一つ目玉が下から私を睨みつけています。「一つ目小僧だ!」私はその子を蹴飛ばしました。夢中でした。こわかったのです。一つ目小僧が追ってくる。ただ、逃げました。……
私は、隣のご夫妻に助けられましたが、だれも助けませんでした。「鬼の目にも涙」と言いますが、私は、鬼ですらありませんでした。」

なぜ生き残った人が自分を責め続けながら生きねばならないのか

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2024年08月10日

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