あらすじ
10歳の少年シュトッフェルは,湖のほとりのちいさな村で,ボートこぎをして両親を助けています.まずしい暮らしをなげく両親の会話を聞いて,シュトッフェルはとんでもない計画を思いつきました.飛行船にもぐりこめば,アメリカで成功したおじさんに,助けを求めに行くことができる!──シュトッフェルの冒険が始まります.トーマス・マンの娘による1930年代の作品.【解説・天沼春樹】
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Posted by ブクログ
物語の舞台は1930年代の南ドイツ。少年クリストフは、貧しい家族を助けようと大胆な計画を立てる。飛行船に潜り込んで海を越え、アメリカに渡ろうとするのだ。知恵と勇敢さで数々の困難を乗り越えていくクリストフの心踊る冒険のお話だった。
クリストフは確かにお金を払わずに「密航する」んだけど、家族を助けたいという思いからだし、なんとか罪を償おうとがんばろうという思いもある。勇敢さも優しさも誠実さもあわせもつ、クリストフのまっすぐな思いに心を掴まれた。
空の上での命がけの飛行船修理作業をやり遂げ、みんなから認められるクリストフがたまらなく誇らしい。船長はとりわけクリストフを「小さな友人」として認め、最後まで気にかけてくれる温かな存在だった。
ハラハラする冒険の面白さだけじゃない。クリストフや船長はじめ登場人物の魅力が光っている作品。子どもたちに読んであげたい。
Posted by ブクログ
優しくて心の正しい人がたくさん。舞台は南ドイツ。主人公は10歳の少年シュトッフェル。両親のために一大決心。秘密の計画は飛行船でアメリカへ!人の心が大事にされていて、ケストナーを思い出しました。1930年頃という時代、電報や靴磨きの少年など、今の子どもたちが理解できるか少し気になりました。大人のユーモア的なオチもどう受け止められるのかなー。
Posted by ブクログ
勇気と優しさを持つシュトッフェルの大冒険!
ドイツのブラウベルク湖でボート漕ぎをして家計を助けている12歳のシュトッフェル。家族の暮らしはなかなか楽になりません。そこでシュトッフェルが考えた秘策は——。
当時、飛行船で大西洋を渡るというのが大きな夢だったのだろうと思わせる作品。著者はトーマス・マンの娘で、アメリカでジャーナリストとして活躍したそう。確かに当時のニュースにありそうな話だった。