【感想・ネタバレ】ほんとうの空色のレビュー

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Posted by ブクログ

フェルコーは貧しい母親と二人暮らし。母親の仕事を手伝いながらの生活で、宿題をする暇もありません。絵が得意なのに絵の具を買うお金もありません。
ある日、友だちに貸してもらった絵の具で絵を描いたが、藍色の絵の具を失くしてしまい、野原の花の汁で作った青い絵の具で空を描くと、その空に本物の太陽や月が輝きだしました。
その不思議な絵の具によっていろんな幸運がもたらされ、最後にお母さんにたくさんの食べ物を持って帰ることができた。
フェルコーは、特別に良い子でもないし、才能があるわけでもない。友だちの絵の具を失くした時も、すぐさま打ち明けて謝るわけでもなく、、そんなごく普通の子が、不思議な絵の具で描いた空によって幸運を得て、最後に持ち帰った食べ物をお母さんへの贈り物としてプレゼントする。それも自分からとは言わず「ある無名の慈善家より」として。そこが何とも気持ち良いなと思った。フェルコーも自分の力だけで得た幸運ではないことがよくわかっている、そして自分だけのものにするのではなくお母さんにあげてお母さんを喜ばせたい、それがよく伝わってきた。
不思議な絵の具は、ほぼ全て失われてしまったが、しずくがズボンにかかってそこに小さな空か残っていた。それを大事に思ってずっと(その後3年も)はき続けていたが、女の子の友だちジュジに指摘され、短い子どものズボンと永久にわかれをつげた。ジュジの目が、ズボンにある空のかけらよりもずっときれいな空色なのだと思えた…大人になるってことは…!

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2023年02月05日

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ネタバレ

ほんとうに素敵なお話しでした。
ハンガリーのはなしは多分初めて読んだと思うけど、学校の様子、家庭の様子、農家のみ様子などがとてもよくわかりました。
こんな絵の具があったら、、、なんて夢が膨らみますよね。終わり方も良かったよね~

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2016年10月03日

Posted by ブクログ

子供のころに、こういった本を読むと読まないとで、その後の人生の潤いが違ってくるのではないでしょうか。

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2016年01月17日

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ネタバレ

学習という月刊誌の付録で小学生の時(数十年前)に読んで深く心に残っていた。絵から太陽が照りつけたり、雨が降ったりというところと用務員が印象に残っていた。でも、一番心に残ったのは最後の8行。今読んでもやっぱりいい。
 “日曜日の午後”と締めくくるのは余韻を深めた。

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2013年02月06日

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心あたたまる本。律儀で優しいフェルコーにウルッときてしまう。

最後にそいうことか、とわかったと時はとても感動した。

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2013年01月01日

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絵が上手なファルコーは、貧しくて自分の絵の具をもっていなかったので、貸してくれた子だけに絵を描いてあげていた。ある日、借りた中から、あい色の絵の具をなくしてしまう。不思議な用務員さんがお昼の鐘がなると一分だけ咲くという野の青い花をつんで、絵の具にしたらいいと教えてくれた。それは「ほんとうの空色」で、太陽や月・星が輝き出し…不思議な出来事の始まりだった。
ひみつのなかまと、ファルコー自身の不思議な体験。
素晴らしく貴重な空色も冒険と共になくなり、思いがけず、最後に残ったひとかけらの「ほんとうの空色」もやがて…

絵画的で美しい描写や、少年が大人になっていく通過儀礼のような象徴的なラストが印象に残る作品。

作者はハンガリーの多才な作家で、オペラの「青ひげ公」の台本を書いたり、映画人としても活躍したそうだ。

蛇足だけど、ねこのツィンツも面白い存在。(文庫“青い猫”としてもね、笑) そして、大社玲子さんの挿絵も好き。

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2011年12月20日

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これも姉の本でした。ダーシェンカと同じ児童文学全集の中の一つのお話しとして読みました。小学5・6年生の時だったかと思います。
貧しい少年が大事に大事にしていた手作りの空色の絵の具が起こす奇跡と、少年が大人になっていくことへの一抹の寂しさがよく書かれていると思います。

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2010年03月17日

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わたしは児童文学作家志望だが、こんな作品が書けたらどんなにいいだろうと思う。子供たちが自然体で描かれていて、冒険は良質の刺激に満ちている。背景となる大人の世界は、よく描きこまれている。最後まで正体のわからない用務員のおじさんがまたいい。訳も、とてもよい。

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2010年03月05日

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サンリオ・ギフト文庫
訳=北村順治 
絵=大橋歩 

文庫サイズの赤いハードカバーでフェルコはおかっぱ。 
小学生の頃から好きな本でした。

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2009年11月10日

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小さなことが、大きなストーリーを持っていると感じた一冊。

私から見る彼は、とてもキラキラしていた
それは「ほんとうの空色」の魔法だったのかもしれない。

それは、小さな嘘を「本当」にしようという思いから始まった

子供の頃の忘れてしまっていた思い出
大切にしていたものに気づかされました。

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2015年10月27日

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ネタバレ

フェルコーが不思議な用務員さんからもらった、塗ると本物の空がそこに現れる絵の具。
雨の日には雨がふり、夜になったら星が出る。

いじめっこに絵の具をとられたり、いろいろあって最終的に空は
フェルコーの普段着の半ズボンの内側にしか存在しなくなってしまうんだけど、
それを、好きな女の子の「子供の服は卒業しましょうよ」の一言であっさりと脱いでしまうところが良い。
魔法の絵の具よりも素敵な彼女を見つけ、大人になるファルコー。

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2013年02月06日

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ネタバレ

相変わらず感想文が下手なので読むかたは、このコメントは
ネタばれになっちゃうのかな・・・でもとてもうれしかったので
感想を書かせてください。


※※※

ハンガリーの世界観がじぶんのすきな世界観であることに
あらためて確信して ほうっ。。。と うれしいため息がもれそうだった。

日の昇る時間の屋車菊の花畑で 咲いているほんの数分の間に花を摘む。
どきどきとさせるこのシチュエーションに胸が高鳴る。

急いで想いを募らせ、花束をしぼる。
お母さんが雑巾をしぼるのを思い出しながら、
ギュッギュッとしぼる。
花束から青の色、
”ほんとうの空色”がうまれる

なんてすてきな話なんだろう。

”ほんとうの空色”をめぐって、絵具のほとんどを
いじめっこにとられてしまうんだけれど

ほんの少し、・・・ 残ったそのほんの少しにロマンを残している。

くもりの空も、雨の空も 晴れの空も映し出す その空は
とても正直で だれもが知る空を そこに描いて映し出しているだけなんだけど、でもその”特別”に憧れを抱いてしまう。

そしてまた、この話のなかでもうひとつ
半ズボンの少年が恋をして、 
”ほんとうの空色”の秘密を そっと大事にしながら
また、すこし大人になっていく

こんなところも魅力のひとつかもしれない

ちょっとしたロマンと、 ちょっとしたユーモア
こどものころからある本を またわたしは繋いでいけるかな

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2012年09月11日

Posted by ブクログ

物語冒頭では貧しい少年の描写から始まっているので、昔よく読んだタイプの「貧困の中で幸せを見つける」というプロットの物語なのかなぁ・・・・と思い、中盤で野原の花の汁でつくった青い絵の具が出てくると、いわゆる手仕事世界系のほのぼの文学かなぁ・・・・と思い、その絵の具で描かれた絵の空にほんものの太陽や月や星が輝きだすとそのあまりのシュールさに唖然とし、と、同時にこの物語がどこへ向かって語られているのかチンプンカンプンに・・・・ ^^;  描写は美しいんだけど、いったいこの物語のテーマは何なんだろう????ってね。

全てが KiKi の中で解決したのは最後も最後、ラスト2ページでした。

少年の夢を広げた「ほんとうの空色」で彩られた絵や道具箱のふたや、そのしみを残した半ズボンに拘り続け、それを宝物のように大切にしてきたフェルコーが、かつての秘密の仲間の1人であり、彼にとって初めての異性でもあるジュジの目の中に、これこそ「ほんとうの空色」を見つけ出し、と、同時に少年時代の象徴でもある半ズボンに別れを告げるというプロットに思わず舌を巻きました。  う~ん、これは深い!!

(全文はブログにて)

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2011年09月12日

Posted by ブクログ

先輩司書に勧められて読みました。

途中はいろいろドキドキしましたが、
「ほんとうの空色」を失うことを恐れていたフェルコーが、最後にそれ以上のものを見つけた、ということになるのかな。

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2021年03月26日

Posted by ブクログ

貧乏な洗濯屋の息子は、性格がお人よしで卑屈で
そのため余計な問題を抱え込んでしまう
クラスメートから預けられた藍色の絵の具を
ねずみに食べられて失くしてしまったのだ
それで途方にくれているところ、ふしぎな用務員のおじさんに教えられ
ふしぎな絵の具を手に入れる
その絵の具を使って描くと、そこにまるで本物の空が現れるので
彼はそれを「ほんとうの空色」と名づける
ほんとうの空色は少ししかないうえに
誰もがそれをほしがるもので、あっという間に使い切ってしまうが
それで描かれた空や雲や太陽は、少年に即物的な救済をもたらす
空想の慰めを現実に変えた「子供の話」である

バラージュ・べーラはハンガリー出身の作家
ハンガリー革命の失敗を受けてウィーンに亡命したのち
レニ・リーフェンシュタールの処女監督作品に
シナリオを提供したことが知られる
「ほんとうの空色」は1925年にドイツ語で出版された
貧乏な少年が裕福な家の少女に愛され
やがておそらくは画家として世に出るのだろう
そんな物語だったが
同年に
アドルフ・ヒトラーのキャリアポルノ「我が闘争」が上梓されたことは
歴史の皮肉と言える

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2018年01月08日

Posted by ブクログ

フェルコーはなんだかジュジの目も「ほんとうの空色」のような気がしてきました
ズボンにある空のかけらよりもずっときれいな空色なのです

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2016年08月15日

Posted by ブクログ

描かれている情景が美しいお話。貧しい家に生まれ、母親の手伝いをするフェルコーは、宿題をする時間がなく、落ちこぼれとして扱われていた。だが、絵を描くのが好きで、隣になったお金持ちのカリの絵の具を借り、その藍色がなくなってしまったことから、不思議なほんとうの空色を手に入れることになる。ほんとうの空色は、塗ったところが、ほんとうの空になるのだ。そして本当の天気と連動して絵の世界も変化していく。秘密を知ったカリや助けてくれた可愛い女の子ジュジ、3人だけの秘密となる。
良くないことを隠そうとしたり、本当にしたりする場面にドキドキする。
困難にも合うが、フェルコーの気持ちの良さが結末にまで良く影響していて、一人の青年として成長したところが見えるのが嬉しい。子どもによっては、成長してほしくなかったと思うかもしれない。
岩波少年文庫だが、字も大きくすぐに読める。4年生くらいから。

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2016年03月21日

Posted by ブクログ

こどもの頃の愛読書を再読してみよう!第1弾です。


このお話、やはりラストが素敵です。


ネタバレになってしまいますが、「半ズボンをはかなくなる」というのは、男の子なら誰もが経験する通過儀礼なのではないでしょうか。


‘ほんとうの空色’(=半ズボン)を手離す代わりに、主人公はガールフレンドのジュジを得る(=大人に向かって一歩前進)。


オチの構図がシンプルで分かりやすいのも、いいものだなと思いました。

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2011年08月31日

Posted by ブクログ

「ほんとうの空色」とは、綺麗な青い色という意味ではなく、「現実の空」の色。この絵の具を塗ると、曇りの空、雨の空、晴れた日の夜の空、と変わっていく。

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2009年10月04日

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