あらすじ
日本経済の現状と見通しを、関連する経済理論とともに解説
ビジネスパーソン向けの経済学講義の決定版
「コロナ不況なのに、株価は異常に値上がりした」
「アメリカの景気がよくなって、円安に振れた」
「最近、ケインズが見直されている」
「日本には巨額の借金があるが、財政破綻を予想する人は少ない」・・・・
日々の経済ニュースは、実は全部つながっています。
ただし、ネットで短い記事を読んだり、日々の報道を断片的に見聞きしているだけでは、本質的な流れはわかりません。
本書は現実の生々しい経済現象を追いかけながら、それらを理解するのに必要なマクロ経済理論をやさしく解説しています。
経済学の知識を使うことでそれぞれのできごとのつながりが深く理解でき、グローバル経済や金融市場の見通しが抜群によくなることが実感できます。
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Posted by ブクログ
コロナ後は、戦後インフレになるかもしれない。
スタグフレーションは、フィリップス曲線が右上方にシフトした=失業率が高く、インフレ率も高い。インフレ予想が高いためインフレが収まらない。ケインジアンの裁量的政策が原因、とフリードマンは考えた=長期フィリップス曲線は、自然失業率と同じ=失業率を下げるために景気刺激策を取るのは間違い。
雇用や賃金は複雑な現象で、構造変化は見逃せない。
日本的こようは、法人扶助=企業丸抱え。解雇が難しいので採用に慎重になる。
北欧は、政府による労働者の保護が強い。企業に頼る問題点が出ている。
日銀がコントロールできるのは超短期の金利。
銀行を中心とした金融システムでは、銀行が貨幣を想像することができる点。
貨幣の3つの機能=取引媒介機能、価値保存機能、価値尺度機能。
経済が停滞しているから、政府の財政が破綻しなくて済んでいる。
前門の虎=公的債務、後門の狼=財政の負荷の増大。
債務比率を減らす手段は3つ。増税と歳出削減、インフレ、高所得者資産家への課税強化。ピケティは3番目の手しかないというが、すべての組み合わせが必要。特にインフレ。
死亡消費税=死亡する時点での課税。相続税とは別に、消費税を払ってもらう。
ISLM分析=ヒックス。貯蓄と投資が一致する財サービス市場の均衡(IS)と貨幣の需給が一致する貨幣市場の均衡(LM)を同時に達成するGDPと金利の組み合わせを考える、
マンデルフレミング理論は、ISLM分析を開放経済に拡張したもの。開放経済では金融政策は自国に効くが、財政政策は、他国に効く。
資本蓄積のレベルが低い国は、資本が増えることで高い成長率が実現する。
成長の負の側面=環境問題、格差拡大、技術革新によって生まれる格差=教育による格差。
資本主義の進展は格差拡大の元。
新古典派の理論では、資本について限界生産性の低減効果が働く=資本の増加が成長に繋がりにくくなる。
先進国の経済成長は、資本と労働力の増加だけでは説明できない=全要素生産性の上昇で説明できる。
アジアの成長は、海外資本投下と労働力だが、それだけでは限界がある。社会主義でも同じ限界に達し、TFPの上昇は見られなかったため、成長が止まった。
TFPはどのように決まるのか。内生的成長モデル。経済全体に規模の経済性が働く。経済政策によって伸びる(
(自由化など)。
貿易収支は貿易の問題ではなく、マクロ消費の大きさの違い。
為替レートは予測不可能=効率的市場化説。
民間部門の資金余剰は、政府の赤字と経常収支の黒字を賄っている。
アメリカの財政刺激で、日本の輸出が増える。同時にアメリカの金利が高くなりドル高円安になる=輸出が増える。ダブルで景気刺激策になる。
アメリカの金乳緩和は、金利低下=円高ドル安=貿易にはマイナス。逆にアメリカの景気がよくなれば、貿易にはプラス。
景気が悪くても株価が高いのは金利が低いことで説明できる。
効率的市場仮説か、行動経済学か。バブルの発生と破壊は効率的市場仮説では説明できない。
進化論的な市場化説=バブルの繰り返しは生物的な新種が現れるようなもの。