あらすじ
20年間しゃべり続けるコアラのぬいぐるみ。
小さな出版社で校正の仕事をしている森星太朗は、幼いころ他界した作家で母の文子が残してくれたコアラのぬいぐるみを大事にしていた。
ムッシュ、と名付けられたそのぬいぐるみは、母が亡くなったその日、なんと突然しゃべりだし、以来、無二の親友になっていた(もちろん、世間には内緒のままにして)。
そんなある日、しゃっくりがとまらなくなった星太朗は、自分が母と同じ死に至る病に罹っていることを知ってしまう。ムッシュは、星太朗に思いがけないある提案をした。
温かで、名付けようのない思いに満たされる感動作。
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Posted by ブクログ
明日は腫ぼったい目で過ごすことになります。
自分の大事なぬいぐるみと重ね合わせてしまうと顔中洪水状態です。外で読まなくて本当に良かった。大変なことになるところだった。
『さよなら、ムッシュ』
安直な私はお話できるぬいぐるみであるムッシュとのお別れを魔女の宅急便でいうジジと会話出来なくなる的な形で終わるのかなと思っていたが良い意味で裏切られた。
せいたろはなんて優しい人なのだろう。
私だったらムッシュを最期まで連れて行きたい、連れて行く選択をしてしまうだろう。でもそれはムッシュのこれからを奪うことになるのだと気付かされた。
ムッシュがいたから出来たこと、一緒だから出来たこと、そしてムッシュだから覚えていてくれることがたくさんある。
ありがとうムッシュ、これからも頑張れムッシュ。
Posted by ブクログ
題名からして別れの物語ってわかるし、絶対悲しいやんって思ったけど読んでしまった。
案の定後半泣きっぱなしで思い出しても泣きそう。
でもただ悲しいだけじゃなくて、あたたかくてほっこりした気分にもさせてくれる物語でした。
昔からぬいぐるみが大好きで、喋れるぬいぐるみに子供の頃どれだけ出会いたかったことか。
亡くなった愛犬が天国で寂しくないように、一緒に虹の橋を渡ってくれた大切なあの子を思い出しました。
ファンタジックなお話が苦手でなければぜひ読んでいただきたい1冊です。
Posted by ブクログ
母が亡くなったその日に、突然喋りだしたコアラのぬいぐるみのムッシュ。そのぬいぐるみは、母が自分の余命を知って星太朗が寂しくないように作ったものだ。コアラは漢字で「子守熊」と書くらしい。星太朗が大人になった今でも、20年、ムッシュは話し続けている。
ある日しゃっくりが止まらなくなったことをきっかけに、星太朗は自分が母と同じ病にかかっていることを知る。
ファンタジックな設定なこともあり、途中まで、引きこもりがちな大人になりきれない人のための児童書みたいだなと、冷めた気持ちも抱えつつ読んだ。だけど、星太朗とムッシュのお互いを大切に思う心に、少しずつ心を奪われていきました。
もし、大切に思う相手を残してこの世から去らなければならなかったら…ここでは、話せるコアラのぬいぐるみだけれど、ペットだったり、まだ一人では生きていけない子供だったりしたら…
お別れの夜、ムッシュは久しぶりに星太朗に抱っこされて、散歩をします。普段は大人がぬいぐるみを抱っこして外を歩くなんて出来ないから。二人にとって大切な大切な最後の時間です。
数年前に、腎臓を患って余命が少ない愛猫のトトを抱っこして毎晩散歩をした記憶が蘇りました。あの時は、トトが先に逝ってしまう恐怖と愛しさでいっぱいだったけれど、トトを置いて逝く立場だったら余計に辛かったのではと想像しました。
大切な相手を思いやる優しさに触れられる、心温まる、でも、どうにもならない別れの辛さに心をえぐられる、そんな大切な一冊でした。
Posted by ブクログ
最後がわかっているだけに途中途中うるっとしながら読みました。ムッシュがいい子すぎる!確固とした自分の意見をもっていて、主人公よりポジティブな考えを伝えてネガティブな気持ちに軌道修正かけてくれるのがすごく素敵。
星太郎もちゃんとムッシュの未来を考えて夢ちゃんに託したけど、本当はお互い一緒にいることが一番幸せなだけに余計に最後がつらい。。
泣けて….….泣けて….….
主人公が死ぬ!余命6ヶ月!
途中で、どうしても、読み続けられなくなって、一度中断した….….3冊くらい他の本を、読んでから、やっぱり気になって、また戻ってきて、後は、一気に読んだ。物凄く感動したけど、物凄く泣けた。あんまり泣かされたので、星は、5じゃない。マイナス1。