【感想・ネタバレ】インドネシア ──世界最大のイスラームの国のレビュー

あらすじ

世界一のイスラーム人口を誇るインドネシアは、独立後、シャリーア(イスラーム法)を国法としない共和国となった。しかし、教義に厳格なムスリムと、より柔軟に教義を解釈するムスリムの溝は埋まることはなかった。そのなかで人々は何を考え、どのような社会を創り上げたのか。インドネシアに計8年間暮らし、その文化と宗教を研究してきた社会人類学者が、綿密なフィールドワークで得た多様なムスリムの声とともに、教義と実践の狭間で揺れる大国の論理と実態を描きだす。

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Posted by ブクログ

仕事でインドネシアのインフラ開発に携わることがあり、これから首都移転、人口増、アジア屈指の経済開発が見込まれるこのイスラム大国について詳しく理解したく手に取った。概しての感想としては、この国は中東で生じるイスラム的価値観とは異なる独自の島嶼的イスラム文化を築き、高度で柔軟な社会を形成しているということである。中東のような過酷な地勢環境とは異なり、インドネシアは南国の豊かな島国である。そこに2億人以上が比較的温和な文明を維持しており、非常にユニークな場所だ。南国の柔和で日和見的な気質と、農民の勤勉性、そしてイスラムやヒンディー、仏教の融和による宗教的多様性が組み合わされた文化であると言える。これから、この国は文字通りも含め益々熱くなるだろう。その時に日本の技術力や、アジアの先人としての知見、文化的影響をしっかりとインドネシアに貢献し、逆にインドネシアの人から謙虚に学び続けることが出来るだろうか。

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2025年07月10日

Posted by ブクログ

インドネシアには約2億8千万人もの人が暮らしており、そのうちおよそ9割がムスリムだという。世界最大のムスリム国家であることを、これまで意識したことがなかったので「ああ、そうか」と思わされた。

1942年から45年まで日本が統治していたことも、日本ではあまり語られない(東南アジアの一国としてひとまとめにされがち)と感じた。

さらに、1998年までスハルト政権の独裁が続いていたことや、敬虔なムスリムであればドラえもん柄の服も偶像崇拝にあたるとして着ないことがある、というエピソードを知り、改めて「近くて遠い国」なのだと感じた。


=宗教について=
インドネシア総人口の9割近くはイスラム教徒。
ただ、シャリーアを国法にしていなかったりと、インドネシアにはインドネシアのイスラームがあるべきだとして模索を図っている。
一方でより厳格な教条主義者もおり、バランスを取ることが国の課題。

=政治について=
17世紀初頭から1942年までオランダ、1942年から1945年まで日本が植民地支配をした。
その後国を主導したのがスカルノで、国民的リーダーであった。1965年から実権を握ったのはスハルト。ASEAN結成を主導したが、独裁や長期政権による政治の腐敗も招き1998年に撤退。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

わたしの知識が圧倒的に足りないことが原因ではありますが、かなり難しいです.

インドネシアのうち、宗教、歴史に特化された本です.インドネシアに特化した歴史書を読んでいるようでした.

インドネシアについて全く知らないと難しいはずですが、インドネシアを知っていて深掘りするにはかなり良書と思います.

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2023年12月18日

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