【感想・ネタバレ】籠の小鳥は狂おしいほどの愛を知るのレビュー

あらすじ

若き伯爵・西条薫に身請けされた芸妓の美鶴子。初恋の人と似た彼にときめくも、ある任務を遂行するため妻になれと命じられる。仮初めの夫婦として過ごすうち、彼の優しさに惹かれてゆくが――。好きな男と逢い引きしていると誤解を受け、怒った薫に押し倒され!?「あなたを手放したくない」指で、舌で、熱い楔で快感を刻み込まれる。甘い交わりの中で彼の一途な想いを知り……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったです。
冒頭のシーンで、幼いヒロインが浅草寺の境内で小鳥を逃がすシーン、更にそこに居合わせた年上の美少年との出逢いが印象的です。その出逢いが後の再会、更に彼との「かりそめの夫婦」という関係にまでつながり、伏線としても見事に活かされています。

ヒロインの性格も健気で前向き、心優しく、非常に好感が持てるキャラクターです。ヒーローも一見、クールを通り越して冷徹なのかと思われますが、実際にはヒロインを大切にする男気のあるキャラです。
明治の文明開化頃を舞台に物語が展開し、鹿鳴館文化が華やかなりし、古き良き時代と設定が効果的に使われており、読み応えもあり、すらすらと最後まで愉しく読めました。

0
2021年10月02日

購入済み

正統派ラブロマンス

ページ数の問題か、中盤が駆け足気味で盛り上がりに欠ける印象でしたが、読み終えてみて、日本が舞台ならこのくらいのテンションでちょうど良かったのかなと思いました。

#切ない

0
2021年08月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

折角お互い初恋相手に再会できて、しかも仮初ながら夫婦としてそばにいるのに、すれ違っているのが切なくて。
特に薫の方が不器用である。
自分のところに繋ぎ止めておくため、たくさんの建前を用意し、その建前に首を絞められ身動きできないという悪循環。
美鶴子がなまじ真面目で薫のその建前を額面通りに受け取ってしまうから、すれ違いが加速。
籠の鳥として囲いたい訳ではない、自由に飛んでほしいと願いつつも、自分から離れていくのが怖くて、他の男と会ったというそれだけで、彼女の処女を奪うほど。
薫、不器用すぎる。
彼がもっと素直になっていれば、傍にいながらすれ違わなかっただろうに。

なので、美鶴子が(薫の用意した建前の)役目を終えたあと、彼が最後の最後でようやく素直になってからの氷解は早かった。
何しろ最初から思い合っている二人なので。
本当にもどかしい展開だったが、ずっとずっとお互い引き摺っていた初恋を成就することができてよかったと思う。
今の二人なら、もっと広い空を飛んでいけるだろう。
それこそ日本を飛び越えて、世界でも。
ラストには、そんな日本を飛び出した二人の後日談もある。
御国の将来のために熱心に勉強しながらも、幸せいっぱいな二人を読めて、こちらも幸せな気分で読み終えることのできた作品だった。

0
2021年05月30日

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