【感想・ネタバレ】日本陸海軍、失敗の研究のレビュー

あらすじ

先の大戦の日本の敗北は、強大な国力を誇るアメリカとの開戦を決断した時点で、半ば決まっていたといえる。自国にとって「都合のいい情報」だけを採用し、確たる長期戦のプランを立てずに対米英戦を始めたのは、日本の陸軍、海軍が組織として「硬直化」していた証である。最初から「現場任せ」の無謀な作戦が幾度も計画され、個々の戦闘に敗北しても、敗因に対する研究や改善案の実行が不十分であった。参謀や指揮官が責任を取る例も珍しく、年功序列による温情主義的な人事が最後までまかり通っていた。日露戦争でその名を世界に轟かせた日本の陸海軍は、太平洋戦争においては、なぜ理性的な判断ができず、非合理な失策を繰り返したのか。なぜ、自ら過ちを反省し、正すことができなかったのか。極度の同質集団であった日本陸海軍が陥った錯誤から、現代の我々が学ぶべき「失敗の本質」とは。

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Posted by ブクログ

雑誌「歴史街道」に掲載された記事を収録した本である。それぞれが得意とする分野について執筆をしているが、執筆者によっては消化不良を感じるものもある。またすでに既刊となっている書籍の要約のものもあるが、この場合には執筆者の既刊書籍を手にとってみようか、と思えた。また執筆者の中には、非常に参考となるものもある。
この手の本は気軽に読むには最適である。私もサクサクと読み進められた。ちょっとした息抜きや隙間時間に読むには最適な本であろう。

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2021年11月23日

Posted by ブクログ

 この類の書は数多あって、そのどれもがたいていはそこに書かれている失敗の原因やもう少し大きな背景に言及し、どのようにすれば防ぐことができたのか、また現代への示唆はということを問う。確かに、その通りであって、反省して内省して次へと繋げられれば言うことはない。すばらしい展開が待っていることだろう。
 それでも、そんなことができるだろうか。みんな等しく失敗するものである。失敗してもいい。失敗してもやっていけるということを明らかにするという文脈において、どこまでも失敗を研究して完璧を目指すことが本筋なのだろうか。何かスッキリしないのだ。

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2021年10月20日

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