あらすじ
著者が故郷・八王子を細緻に取材・記録したご当地実話怪談!
東京最恐心霊スポット・八王子城
不思議な力が宿る霊峰・高尾山
鑓水公園にある恐怖の鏡
立入厳禁の廃病院
怪奇現象が絶えぬ道了堂跡
都立霊園に潜む怪異
東京都八王子市―都心のベッドタウンであるこの街には、東京最恐の心霊スポットとして名高い八王子城跡をはじめ、数多くの“異界”が存在する。
そうした八王子の裏面を、当地で育ったルポルタージュ怪談作家・川奈まり子が自身の記憶と重ねつつ精緻に取材し、史上初の八王子限定怪談本が完成した!
後部座席の幽霊、迫る鎧武者、山中に響く読経など、八王子城跡で起きた怪異の数々「城跡異聞集」、宗教団体跡地で襲い来る恐怖と絶望「肝試しの顛末」、鑓水を舞台とする2つの事件の恐ろしい真実と怪異に迫る連作「谷戸の女」など収録!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
タイトルに「怪談」とあるが、読んでもちっとも怖くない。この本は、八王子界隈で体験または採取された怪談の、背景などを探るルポルタージュであるから。
採録された話の「怖さ度合い」もピンキリで、中には「もっとホラーっぽい文体で書いたら、ずっと怖くなるだろうに」と思われるネタも散見される。が、作者は、あくまで第三者として客観的な文調は崩さない。が、中には、ご自身が幼少期に体験したエピソードも載っていて、図らずもそれらはちょっと怖い(^ ^;
八王子城跡、道了堂跡など、何度も登場する場所は、読後是非行ってみたいと思ってしまう(^ ^ 怪談を入り口として、観光客誘致にも一役買っているのではなかろうか(^ ^
最終章の、実際にあった殺人事件をベースにした都市伝説の「裏取り」をして、矛盾点を白日の元に晒す件は、本書の一番の見どころである。むしろこのために「ルポ」の体裁を取ったようにも(^ ^ 「怖がりたい」人より、「基礎固め」をしたい人向けの一冊か(^ ^