あらすじ
人生における〈空白〉として捉えられてきた〈老い〉.しかし超高齢化時代を迎え,〈老い〉に対する我々の考え方も取り組み方も変化を余儀なくされている.〈老い〉を問題とする現代社会の有り様にむしろ問題はないか?「日常」「アート」「顔」など身近な問題を哲学的に論じてきた第一線の哲学者が,現代社会の難問に挑む.
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Posted by ブクログ
私は若くて、周りからは「成長」の話をよくされます。
でも、「成長」より「成熟」のほうはどうなのか、最近は気になっています。
この本は「老い」についての本だけど、「老い」を分解していった先にあるいろんな要素、「できなくなる」「疲れる」とか「成熟」とか、人間として私も感じたことはある。
できるつもりの自分との乖離とかいつも感じていてそれで疲れてる。
「老い」を介護とか延命とかの高齢化社会の「問題」に限定して捉えず、人間的な生活のひとつの側面として扱っている本です。
Posted by ブクログ
鷲田さんの本はときどき、これしかない、というくらいに読みたくなる。本書は新しく文庫になった本ということで偶然読んでみたけど、思いもよらず、鷲田さんのなかでもいいなぁと思えた本。
こういう言葉を待ってたって、読んだあとでそんなふうに思える言葉に出会えたから、もうそれだけでこの本を読めてよかったと思う。そう、成熟とか、老いというのが、本当にせまい意味でしかいまはとらえられてないと思う。老いの意味を積極的に見出そうとする、そんな作業が必要であって。