あらすじ
■鬼はなぜ藤を嫌うのか?――『鬼滅の刃』ヒットに潜む異界の符牒 酒呑童子、百鬼夜行、ナマハゲ、羅城門の鬼… 日本人が長い歴史のなかで追いやった 怪異を具現化した「鬼」の正体とは?
[目次]
第1章 鬼と異形の系譜――古典・伝説に現れた異類たちを読み解く
第2章 日本の闇に蠢く「異形のもの」列伝――異界からの訪問者を総覧する
第3章 呪術者・異能者たちの群像――怪異と対峙した「鬼殺隊」の原像
第4章 鬼と出会える聖地――闇の民俗とパワースポットをめぐる
<監修者略歴>
飯倉義之 (いいくら・よしゆき)
1975年、千葉県生まれ。國學院大學大学院修了後、国際日本文化研究センター機関研究員等を経て、現在、國學院大學文学部准教授。専門分野は口承文芸学、現代民俗論。怪異・怪談、妖怪伝承に造詣が深く、妖怪をこよなく愛し、研究室は全国で集めた妖怪グッズであふれている。共著に『猫の怪』(白澤社)、共編著に『ニッポンの河童の正体』(新人物往来社)、『日本怪異妖怪大事典』(東京堂出版)、共監修に『京都・江戸 魔界めぐり』(NHK出版)、『日本の妖怪』(宝島SUGOI文庫)などがある。
<本文執筆>
古川順弘(ふるかわ・のぶひろ)
1970年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。宗教・歴史分野を扱う文筆家・編集者。『人物でわかる日本書紀』(山川出版社)、『古代神宝の謎』(二見書房)、『仏像破壊の日本史』(宝島社)ほか著書多数。
※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『鬼と異形の民俗学―漂泊する異類異形の正体』(2021年7月17日 第1刷)に基づいて制作されました。
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人間、不思議なものに対する興味は尽きない。鬼もそうだ。今の時代に鬼が生きているとしてテレビ番組で紹介していた。
奈良県吉野郡下北山村に住む五鬼助義之さんだ。1300年にも渡る五鬼助家の61代目だ。およそ1300年前に修験道で有名な役行者(えんのぎょうじゃ)によって、2匹の鬼が前鬼と後鬼と名付けられた。さらに一族には五鬼助という名前を与えた。
このように令和に時代にも鬼が存在していたが、鬼は不思議な存在だ。今のように角がニョッキと生えている鬼は室町時代以降に定着したものだった。
以前はどうかと言うと、鬼とは恐ろしいものの象徴で、人間の反対概念、反社会的・半道徳的人間として造形されたものという民俗学者の小松和彦の意見を引用している。
不思議な存在といえば、天狗もそうだ。天狗のイメージも近世になってから定着したものとは違っていた。古代中国では何と流れ星だった。
神社の中には鬼を祀っている珍しい神社がある。青森県弘前市に鬼(き)神社がある。
鬼もルーツをたどると興味深いことがいろいろあるなあ。
Posted by ブクログ
「オニ」のイメージがどのように移り変わってきたか、日本書紀などの書物や絵巻物などから紐解き解説してくれる。
鬼だけでなく天狗や河童、幽霊などがどの時代から現れるようになったのか、どのような存在として認識されていたのかなど興味深く読めた。
ただあくまで民俗学の本ってことで、文章自体はあまり面白くないかな。
あとは鬼滅に結びつけなくてもいいかなって思ったけど、民俗学を知るきっかけとしてはいいのか?
Posted by ブクログ
鬼が中心に語られるのかと思いきやその他の魔物も語ってくれて面白かった。
今は見られなくなった山の民などにも触れてはいるが200数頁というページ数なのでそこまで濃くはない。『鬼滅の刃』にまで至る「鬼とは?」という存在は恐ろしいもの、ではあるが同時に日本人の中に根強く居ついたものなのだというのが興味深い。
Posted by ブクログ
全四章からなる一冊だが、第一章 鬼と異形の系譜。がこの本の肝であり要。二章以降は辞典みたいな形式なので、タイトル通りの民俗学を期待してる人は一章だけでいいかも…
Posted by ブクログ
鬼の伝説について各地の伝承や、時代ごとの資料から読み解いた本。
鬼滅ブームに載って書かれた本だけあって、内容は良くも悪くもわかりやすさを重視した本でした。
そのため、とりあえず鬼について一通り学んでおきたいという人におすすめです。
【こんな人におすすめ】
とりあえず鬼の伝承について学びたい人
鬼滅の刃が好きで鬼に興味を持った人