あらすじ
ふいに襲う殺人の幻視。
幻視者は「友」を止められるのか?
――恐怖と正義、友情の間で揺れる主人公の葛藤。
『記憶屋』の織守きょうやが描く、人間の闇を炙り出した渾身のサスペンス・ミステリ!
ある特殊能力のせいで、他人に関わらないように生きてきた久守一は、偶然、その力で美大生の佐伯が巷を騒がせる連続殺人犯だと知ってしまう。社交的で人当たりもよく、とても殺人犯には見えない佐伯は、捜査線上に浮かんですらいない。柄でもないと思いながらも、自分や後輩の身を守るため、犯行の証拠を探す久守。しかし、友達のふりをしているうち、佐伯に対して本当の友情を感じ始めてしまう――。
青依青・装画
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Posted by ブクログ
身体に触れたら相手の秘密がわかる久守くん
佐伯くんを幻視したら連続殺人犯だった
最初の段階で、殺人犯じゃないんかもなぁとは
思ったんだけど
もしかして、久守くんを犯人にしてしまうん?
で、幻視者の眼は曇り空でした
というダークやオチを考えてた私
↑心が病んでます…
そしたら真野ちゃんが犯人やったわ
確かに最初の段階で肩に触れたのが
どっちか分からんようにしてあるやん
しかも何も悪いと思ってないから
幻視できんかったというオチ
やられたぁ
↑超ネタバレな感想ですみません
間にあった頼子さんの話は悲しかった
Posted by ブクログ
殺人者が隣にいたら…証拠を探すため家に二人きりなんて自分は怖くてできません。
いつ「気づいてるんだよね」と言われるかドキドキしてましたが、ラストは…
はい、しっかり騙されてしまいました。
そして作者が女性だったことに二度驚きました。
Posted by ブクログ
触れた人が秘密していることが視えてしまう能力「幻視」を持っている主人公が偶然その力で連続殺人犯を知ってしまう。柄にもない正義感で犯人に近づき犯行の証拠を探す主人公。しかし友達のふりをしているはずが犯人に本当の友情を感じてしまって…
好きなジャンルの結構チートな特殊能力がでてくるけど中々上手いこといかないミステリー作品。スタートから最後までハラハラドキドキしながら一気に読めた。
Posted by ブクログ
特殊能力をもった青年が、そのせいで連続殺人犯と思われる人間に気づき、犯行の証拠をつかむため友人となる…
と書くと素人探偵ものっぽいが、本人は特殊能力以外はただのぼっち大学生なので、危険は犯さない。そして犯人としての決定的証拠は見つからず、青年が能力を使ってわかることは断片だけ、ということから、当然ミステリ的には一筋縄でいくはずもなく。心の闇といってわかったふりをするのは簡単だが、その決定的な一点を除いては、魅力的で、自分にとって「いい友人」だったりする側面もあるのが人間の多面性。一点をもって全否定はできない…と葛藤するのも人間的。