あらすじ
5 月の真夜中、死病を抱えたミリアは痛みから外へ駆け出した。ときを同じくして、狂気と焦燥に駆られた男女が通りをさまよう……。現代ポルトガルの最重要作家による圧倒的代表作。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ミリアは激痛に耐えて夜中の街を彷徨っていた。10代で統合失調症に罹り、担当医のテオドールと結婚し離婚。
登場人物全員、ミリアの子である12歳のカースですらどこか不穏でおかしい。散漫に見せかけた物語の展開の中でそこかしこに事件へのトリガーが散りばめられていた。
本作は彷徨感の強い作品だが、殺人の原因と結果というところは的を射ているのではと感じた。フィクションでは殺人の原因、理由は複雑に描かれたりするが、現実では人は人をある日突然あっさりと殺してしまうものだ
この小説がポルトガルでベストセラーということでポルトガルという国から受ける印象が変わりました。
精神病院と性行為、というとどうしても村上春樹『ノルウェイの森』を思い出します。かなり昔にさっと読んだだけですが…。