【感想・ネタバレ】エルサレムのレビュー

あらすじ

5 月の真夜中、死病を抱えたミリアは痛みから外へ駆け出した。ときを同じくして、狂気と焦燥に駆られた男女が通りをさまよう……。現代ポルトガルの最重要作家による圧倒的代表作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ミリアは激痛に耐えて夜中の街を彷徨っていた。10代で統合失調症に罹り、担当医のテオドールと結婚し離婚。

登場人物全員、ミリアの子である12歳のカースですらどこか不穏でおかしい。散漫に見せかけた物語の展開の中でそこかしこに事件へのトリガーが散りばめられていた。

本作は彷徨感の強い作品だが、殺人の原因と結果というところは的を射ているのではと感じた。フィクションでは殺人の原因、理由は複雑に描かれたりするが、現実では人は人をある日突然あっさりと殺してしまうものだ


この小説がポルトガルでベストセラーということでポルトガルという国から受ける印象が変わりました。

精神病院と性行為、というとどうしても村上春樹『ノルウェイの森』を思い出します。かなり昔にさっと読んだだけですが…。

0
2022年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

決して面白可笑しい話でもないし、ときめく話でもないのだが、なぜか一気読みしてしまった。なんだろう、この奇怪さは。

ミリアの造型には、フォークナー『八月の光』のリーナを連想してしまった。

ヒンネルクは結局なんなんだ。カースの意味はなんなんだ、あんまりだと思ってしまうのだが。なんのために、なんのために。ただ円環がまとまる着地はあまりにも見事。

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2021年06月17日

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