【感想・ネタバレ】沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たちのレビュー

あらすじ

2010年代初め、「沖縄の恥部」とまで言われた売春街が、浄化運動によって消滅した。戦後間もなく駐留する米兵たちによる性犯罪や性病の蔓延を緩和するための色街だった。著者は売春に従事する女性、風俗店経営者、ヤクザに綿密なインタビューを敢行。なぜ米兵や県外の観光客までこぞって遊びに訪れた色街は消されたのか? 沖縄の“もう一つの戦後史”を炙り出す比類なきノンフィクション。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・映画「宝島」との親和性
 元戦果アギヤーの刑事その他が主となる映画はこの本との親和性が高かった。
戦果アギヤーとは戦後、米軍基地に忍び込み食料や衣料などを盗み出し、住民に分け与えた集団。ゆくゆくはコザ派呼ばれ、特飲街(売春が暗に認められる街)を取り仕切る用心棒として働く。最終的には現在の旭琉會に集結される。 映画にも出てきたナハ派は元空手道場がルーツ。喧嘩の仕方がまさに空手でちょっと感動。

・「性の防波堤」
 後を絶たない米軍のレイプから民間の女性を守るために設置された「特飲街」。そこでは売春が行われていた。その歴史があるにもかかわらず、沖縄県の各所に存在していた街は「浄化」が行われ、今ではほとんどがゴーストタウンである。
 
 真栄原新町をドライブしてみた。ほとんど勘で向かったけれど、暗いほうへ車を進めると、到着した。ほとんど街灯はなく、廃墟のようだった。
 「沖縄の恥部」と呼ばれたその地には、犠牲になった人たちが住んでいた。
私はそこで懸命に生きた人たちを恥ずかしいとは思わないし、生きるための手段だと理解している。彼女たちが生活に苦しんでいるならば、救うべきだし見守るべきだと思う。
 
・何かを守るために何かを犠牲にするのはおかしい
 筆者はそう書く。同感。

戦後の沖縄で必死に引き抜いた人たちの生きざまがありありと感じられる。彼らの必死の抵抗や運動で私の住んでいる沖縄がある。
 

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2025年10月24日

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