あらすじ
十津川警部は帰宅途中を襲われ、不覚にも誘拐されてしまう。彼が気付いたときには、不可思議な島にいた。島内にはある町の一角が、映画のセットのように忠実に作られていた。その島に連れてこられた十津川以外の者たちは、全員ある殺人事件の関係者だった。事件で有罪判決を受け、獄死した被告の父親が、無実を訴え続けた息子の無念を晴らすため、裁判で証言した証人七人に当時の証言を再現させると、証言の矛盾が露呈し、証人が殺される事態に。十津川は真実を見抜けるのか? 屈指の本格推理を新装版として刊行!
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Posted by ブクログ
この本をくれた人は序盤に犯人の見当がついてしまい楽しめなかったと言っていたが、実際に読んでみるとこれはある程度作者の意図なのではないかと感じた
この物語の見所は、自己保身に走った人間の証言や巻き込まれた人間の曖昧な記憶がどのように真実を歪めていくのか、そして如何にして歪められた真実を解き明かしていくかなのだと思う
Posted by ブクログ
【七人の証人】
先日逝去された西村京太郎氏の著書です。
京太郎氏お得意の鉄道ものではなく、でも戸津川警部が出てくる作品。
ある傷害事件で有罪とされ、獄中に病気により死去した息子のために、その父親が当時の証人を集めて真実を暴こうとする推理小説です。
集め方は無茶苦茶、場所もどうやって運んだんだという無人島、でもそこには事件の舞台となった街が再現されている、というものですが、その父親が一人ひとりに真実を話してもらう展開はなかなか面白いものです。
最後はスカッとします。
次は鉄道ものにします。中学の頃、よく読みました。
#西村京太郎 #戸津川警部シリーズも好き #七人の証人
Posted by ブクログ
初めての十津川警部。帰宅途中に何者か襲われ孤島に連れ去られた警部。そこには複数の男女と佐々木と名乗る老人がいた。その老人は1年前の事件を再現し獄中死した息子の無念をはらしたいとして当時の事件の証言者だった7人を集めたのだ。改めて証言を聞き、それに反論する突飛なシチュエーションのリーガルサスペンスで、しかも途中で証言者が殺されるというアクシデントもあり、どんどん話の引き込まれる。エピローグがなかったのが残念だった
Posted by ブクログ
事件の証人たちが、関係者に幽閉されて新たな証言を強要されるという私設法廷もの。ジャンルとまでは言えなくても、割と例はある感じですが、ここでは無人島に事件の起きた街角が再現されていてスケールが大きい。十津川警部が巻き込まれている分、サスペンスは控えめで、犯人とされて獄死した青年の父親が、如何にして鉄壁とも思える七つの証言を切り崩していくかが物語の興味。ミステリ的な仕掛けはあっさり目だけれども、あえて手加減しているようにも思えます。