【感想・ネタバレ】田中角栄を生んだムラ 西山町物語のレビュー

あらすじ

未来を夢みた庶民の涙ぐましい努力。田中角栄の栄光のカゲで、過疎の克服をめざして展開された人間ドラマ! 生活と意識の変化を克明に追うルポ――田中角栄の「オラが村」で展開された、人間ドラマを追う。過疎からの克服をめざして、町民たちの涙ぐましい努力は、どうなったのか? 工場誘致に全精力を傾ける町議、町の活性化を策して独特の祭りを作りだした若者たち、などなど。角栄の栄光のカゲで、未来を夢みた庶民の生活と意識の変化を克明にさぐる異色ルポ。

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Posted by ブクログ

(*01)
昭和世代史として読めるのではないだろうか。
3部構成の本書は、いくつかの家族のいくたりかの兄弟姉妹たちが各章に現われる。1部は戦前から、2部は戦後から、3部は高度経済成長期以後からと時代を追って、新潟県刈羽郡西山町に着いた人や離れた(*02)人を描いている。
ぶっとぶのはプロローグからで、新潟県の明治期からの人口推移が記されており、角栄の地盤について改めて考えさせられる。

(*02)
在所を離れることを、旅に出ると呼ぶ件について、本書はいくたびか触れている。この旅に、それぞれの世代の表現が現れている。戦前の旅、特に第2章の下北半島への旅は民俗としても興味深いが、2部以降の記述についても、出版後20年を経た現在、史料的価値が生まれつつあるように読める。

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2015年01月31日

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