【感想・ネタバレ】美少年美術史 ──禁じられた欲望の歴史のレビュー

あらすじ

神々が愛したかわいくエロティックなクピドたち。古代の英雄や皇帝たちを狂わせ、歴史の運命を大きく動かした少年愛のめくるめく世界。中世キリスト教社会で、激しい抑圧のなか密かに紡がれた同性愛的嗜好。そしてルネサンス期を迎え、ふたたび花開く男たちの肉体美――。西洋美術には美少年を描いた傑作が数多く存在する。彼らはなぜこれほどまでに芸術家たちを虜にし、その創造力をかきたててきたのか? ときに勇ましく、ときに儚げに描かれたその姿に、人類のどのような欲望が刻み込まれているのか? アート入門としても最適。カラーを含む200点以上の図版とともに辿るもうひとつの西洋史。

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Posted by ブクログ

古今東西……ではなくて西洋のほうの少年を題材にした絵画や彫刻をたどりながら、それらを生み出した文化背景も紹介。日本も江戸時代は男どうしの仲が普通のことだったようだけど、西でもそうだったのかという感じ。同性どうしのほうが心や考え方が通じるだろうから、ある意味心は許せるだろうし仲良くなりやすいのもわかるんだけど、紀元前からそういう流れが連綿とあったというのを再認識した感じ。それでいながら、これまた今まで連綿と続く同性愛への偏見にはキリスト教が関係していたんだな、なるほど……という感じ。
甘い香りが漂ってくる感じがしなかったり、プリンとかムチムチッとした感じがない、少年や青年たちの姿はそれはそれで、とても美しい。描かれた女たちはどこか誘っているような媚を売っているような、見られていることを意識している表情の作品が多い気がするんだけど、少年や青年はひたすら自分のしたいことだけ、目の前のことをまっすぐしているだけのような印象で、そこもまた美しさを生むひとつだと思う。

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2017年04月22日

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