【感想・ネタバレ】誰も教えてくれないお金と経済のしくみのレビュー

あらすじ

経済が全くわからない人でもサクサク読めてどんどん身につく!
最新の「お金の常識」。

お金はどうやってできて、どのように世の中を回っているのか?

■こんな人にオススメ!
・自分の将来が不安な人

・お金を貯めたいけどなかなか貯められない人

・投資を始めたいけどよくわからないからと先延ばしにしている人

・お金のことをよく学ばないまま大人になってしまった人

・お子さんにお金について教えたいと思っている人

・最近のお金の変化についていけない人、もしくは変化に気づいていない人

そんな人たちに向け、お金の基本的なことから、
貯蓄、将来コスト、投資、お金との向き合い方、経済のしくみなどを、
現在の経済状況を捉えつつ、お金と正しく向き合うための知識としてやさしく紹介しています。


■ここがポイント!

・自分なりの「お金の常識」を持てるようになる!
経済アナリストで金融教育家でもある著者が、身の回りのお金から国家レベルのお金までを網羅的に解説。
今必要なお金の知識と教養を手に入れ、様々な視点から「お金」について考えられるようになる。

・経済状況がわかるデータを豊富に収録!
経済アナリストらしく、今の経済状況を豊富なデータを用いて解説。
主観によらず、客観的な知識としてお金や経済について学ぶことができる。

・各トピックに関するお金のクイズも収録!
副業で稼げる平均年収は?
宝くじの払戻率は何割?
介護費用の月平均額はいくら?
などなどお金に関するクイズも収録し、楽しくお金について学べるよう配慮。


■どんなことが書かれているの?
・日米の金融教育の差とは?
・それって本当にムダ遣い?
・贅沢って何をどうすること?
・投資はギャンブルって聞いたけれど
・労働者からお金を搾り取るのがお金持ち
・いったい、いつから預けても増えない時代になったの?
・働き方改革って何?
・子育ては贅沢なこと?
・介護とお金の問題
・株の買い時、売り時を見るには?
・消費税はなぜどんどん上がるの?
・国の借金は返さなくてもいいの?
など


日本はお金の教育遅れていると言われて久しいなか、
新進気鋭の経済アナリストで金融教育の会社も経営する森永康平氏が
一生お金で苦労しないためのお金の知識を解説する。
中学生から大人まで、使う、貯める、稼ぐ、増やす、
そして減らさないといったお金の基本的な仕組みから経済のことまで、
豊富な図解とイラストでスッキリ理解できる一冊です。

■著者 森永康平(モリナガコウヘイ)
金融教育の会社を経営し、経済アナリストとしても活躍
(お父さんはテレビでおなじみで、やはり経済アナリストの森永卓郎氏)。
証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとしてリサーチ業務に従事した後、
インドネシア、台湾、マレーシアなどアジア各国にて法人や新規事業を立ち上げ、各社のCEOおよび取締役を歴任。
現在は複数のベンチャー企業のCOOやCFOも兼任しながら、執筆に、経営に、メディアにと超多忙な毎日を送っている。
著書は『いちばんカンタン つみたて投資の教科書』(あさ出版)や、
『MMTが日本を救う』(新書/宝島社)、父・森永卓郎との共著『親子ゼニ問答』(新書/ KADOKAWA)などがある。
本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

■本書の概要
本書は、お金の歴史から投資・国家財政まで、経済の基礎を幅広く解説した一冊だ。全5章で構成されており、「お金に対する思い込みを疑う」姿勢の大切さを説く。

第1章では、お金が物々交換から「信用」に基づく紙幣やデータへと変化してきた歴史が学べる。日本人に根強い「貯金は善、贅沢は悪」という価値観も、機会費用(Opportunity Cost)の観点から見直すと、必ずしも正しくないと気づかされる。限られたお金をどこに使えば最も満足度が高いかを考える視点は、日常の選択を変えるヒントになる。

第2章では、資本主義における労働と資本の関係、正規・非正規雇用の格差、M字カーブに象徴される女性の就労問題が取り上げられていた。所得税の累進課税が「富の再配分」と「景気の自動安定装置(ビルトイン・スタビライザー)」として機能していることも、改めて理解できた。

第3章では、子育て(幼稚園から大学まで公立でも約1,000万円)や老後資金(老後2,000万円問題)など、人生に必要な費用のシミュレーションが現実的。年金や退職金だけに頼れない時代において、「長期・積立・分散」を基本とした投資の必要性と、リスクとリターンの正しい理解の重要性を強く感じた。

第4章では、キャッシュレス決済の普及や副業(複業)の広がりといった最新のお金事情が学べる。便利さの裏にある詐欺被害のリスクにも触れている。

第5章では、GDP・景気循環・インフレ・デフレの仕組みに加え、「国の借金=国民の借金」という通説をMMT(現代貨幣理論)などの視点で問い直す内容が印象的だった。誰かの負債は誰かの資産であるという会計的な視点は、経済ニュースを鵜呑みにせず多角的に考える力を与えてくれる。

■発展的考察:AIが加速させる経済崩壊のシナリオ
本書にある経済の仕組みを踏まえた上で、現在急速に進むAIの普及が経済にどのような問題を引き起こしうるかを考えてみたい。

AIが労働を代替する領域を広げる中で、企業がリストラを加速させ、AI活用に遅れた企業が淘汰され、AI提供企業と極少数のスリム化した企業だけが生き残るという極端なシナリオを想定した時、本書の視点から以下の深刻な問題が推察される。

1. 経済循環の停止(消費の蒸発)
本書が解説するように、経済は消費者・企業・銀行の間でお金が「ぐるぐると」回ることで成り立っている。リストラによって多くの人々が賃金を得られなくなれば、消費者はモノやサービスを買う原資を失う。企業がAIで効率よく生産できたとしても、それを買う消費者の所得がなければお金の循環そのものが止まってしまう。生産能力だけが高度化し、購買力が社会から失われるという、経済の根本的な矛盾が生じるのだ。

2. 「合成の誤謬(ごびゅう)」によるデフレの加速
個々の企業がAIを導入してリストラを断行することは、その企業単体にとっては合理的な生き残り戦略だ。しかし、社会全体が同時にそれを行えば、本書が説明するデフレスパイラルが一気に加速する。モノが売れないために企業が価格を下げ、利益が減ってさらにリストラや賃下げを行うという悪循環が深まり、経済全体が縮小していく。個々の「正しい選択」が集まることで社会全体が悪化する、これが「合成の誤謬(ごびゅう)」の恐ろしさだ。

3. 富の再配分機能と社会保障の崩壊
本書が第2章で詳述するように、現在の日本の経済システムは所得税などを通じた富の再配分と、年金・医療・介護などの社会保障によって社会の安定を保っている。しかし、大量失業が起きれば所得税収が激減し、消費の冷え込みによって消費税収も期待できなくなる。現役世代が支払う保険料と税金で社会保障を支えるという現行の仕組みは、労働者が大幅に減少すれば物理的に維持が不可能になる。高齢化が進む日本においては、この問題は特に深刻だ。

4. 資本家と労働者の格差の極大化
本書は第2章でマルクスの『資本論』に触れ、資本主義において「労働者は資本家に搾取される構造にある」という考え方を紹介している。AIというかつてない強力な「生産手段」を所有する極少数の企業・資本家にすべての付加価値(GDP)が集中し、労働力を提供できなくなった一般市民との間に埋めようのない格差が生じる可能性がある。かつての格差は努力や教育によってある程度は埋めることができたが、AIが生産手段を独占する世界では、格差が固定化・世襲化し、もはや個人の努力では覆せない構造になりかねない。

■結論:経済の「前提」そのものの崩壊
本書の視点に立てば、AIによる生産性向上には「労働力不足の解消」というポジティブな側面がある一方で、極端なスリム化と富の独占が進んだ場合、「誰がお金を払い、誰が社会を支えるのか」という経済の根本的な前提そのものが崩れてしまう。本書が丁寧に解説してくれたお金の循環・税制・社会保障・格差の仕組みは、裏を返せば、それらが機能しなくなった時の破壊力の大きさを物語っている。AIを提供する企業の経営者らが暴動を恐れて地下シェルターを用意しているひとつの理由はこういったシナリオが想定されているからだろう。

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2026年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

弱肉強食の資本主義においては、資本家側に回らないと豊かになれず、労働者はずっと資本家にお金を搾り取られ続ける。
⇒その通り。これに気付くまで自分一人で頑張り続けようと思っていた。

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2021年11月12日

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