あらすじ
プラトン、アリストテレス、孔子、デカルト、ルソー、カント、サルトル……
では、女性哲学者の名前を言えますか?
男性の名前ばかりがずらりと並ぶ、古今東西の哲学の歴史。
しかしその陰には、知的活動に一生をかけた数多くの有能な女性哲学者たちがいた。
ハンナ・アーレントやボーヴォワールから、中国初の女性歴史家やイスラム法学者まで。
知の歴史に大きなインパクトを与えながらも、見落とされてきた20名の思想家たち。
もう知らないとは言わせない、新しい哲学史へのはじめの一書。
【目次より】
◆ディオティマ Diotima(紀元前400年ごろ)
◆班昭 Ban Zhao(西暦45~120年)
◆ヒュパティア Hypatia(西暦350年ごろ~415年)
◆ララ Lalla(1320~1392年)
◆メアリー・アステル Mary Astell(1666~1731年)
◆メアリ・ウルストンクラフト Mary Wollstonecraft(1759~1797年)
◆ハリエット・テイラー・ミル Harriet Taylor Mill(1807~1858年)
◆ジョージ・エリオット(メアリー・アン・エヴァンズ) George Eliot (Mary Anne Evans)(1819~1880年)
◆エーディト・シュタイン Edith Stein(1891年~1942年)
◆ハンナ・アーレント Hannah Arendt(1906~1975年)
◆シモーヌ・ド・ボーヴォワール Simone de Beauvoir(1908~1986年)
◆アイリス・マードック Iris Murdoch(1919~1999年)
◆メアリー・ミッジリー Mary Midgley(1919~2018年)
◆エリザベス・アンスコム Elizabeth Anscombe(1919~2001年)
◆メアリー・ウォーノック Mary Warnock(1924~2019年)
◆ソフィー・ボセデ・オルウォレ Sophie Bosede Oluwole(1935~2018年)
◆アンジェラ・デイヴィス Angela Davis(1944年~)
◆アイリス・マリオン・ヤング Iris Marion Young(1949~2006年)
◆アニタ・L・アレン Anita L. Allen(1953年~)
◆アジザ・イ・アルヒブリ Azizah Y. al-Hibri(1943年~)
明晰な思考、大胆な発想、透徹したまなざしで思想の世界に生きた、
20の知られざる哲学の女王たち(フィロソファー・クイーンズ)。
知の歴史をひっくり返す、新しい見取り図。
「……人々は相変わらずこう思っている。プラトンの時代から
思想の分野を担ってきたのはほとんどが男性だろうと。
まるで、女性も偉大な哲学者になれるというプラトンの予言を、
これまでだれも実現してこなかったかのように。」
(本書「はじめに」より)
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Posted by ブクログ
【女性哲学者20名の経験と功績】
考えてみると有名な哲学者のほとんどが男性だ、というところから、編集者の2人の女性が、重要な思想的功績を残す20人の女性哲学者を紹介。それぞれ、また20名の女性筆者によって書かれている。翻訳者も女性。
・・・
遡ること紀元前、プラトンの時代から、今日にも生きる現代の哲学者まで、ほぼほぼ欧米人(他は、中国、カシミール(?)ナイジェリア、レバノン系アメリカ人)、なのだけれど、いろんな時代と場所を少し旅した気分になった。ランダムに出てきたように感じるアジア系哲学者については、私もまったく知らないのだけれど、アジア人としては、このアジアバージョンができたら面白いなーと思った。
とにかく各人物について、その思想や鉱石だけではなくどのように生きた人たちであったのか、という体験的な紹介がなされていたので、とても読みやすかった。
原作などを通して、特に興味を持った方々の理解をさらに深めたいな、と思ったりした。
女性の哲学者だと、やはり男女間の不平等、フェミニズム、の議論に代表される人が多いかと思うけれど、対等に、人間として女性が議論できる日は来るのかな。
女性の従属的立場については、今も現実問題として日々感じる。永遠に付きまとうものなのかもしれない。
それでも、もっと声を大きくすることはできるのではと少し希望を持つ。