【感想・ネタバレ】女たちのニューヨークのレビュー

あらすじ

1940年、アメリカ。小さな町のお嬢様ヴィヴィアンは、大学を辞め、NYのショーの世界に飛び込んだ。華やかで刺激的な毎日。だが、それは突然終わる。彼女の過ちが、街中を騒がす醜聞になったのだ。恋人も友達も居場所も失い、彼女は初めて自分と向き合う

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

雑誌「VERY」のシスターフッド特集の中で紹介されていた1冊。

読み始めたら止まらない。特に中盤からぐいぐいひきこまれる。1940年代のニューヨークを舞台に、自らが世界の中心であることを証明するように、嵐のような生活をするヴィヴィアン。若さゆえの自分本位の言動に居心地の悪さを感じる前半。しかし、あるスキャンダルにより二度と癒されない傷、取り戻せない信頼があることを知った彼女。自分を見つめなおし、彼女を愛する周囲の人々との生活のなかで培った、彼女らしい生き方考え方に元気づけられる。
ヴィヴィアンが、自分を責めるフランクに対して「あなたが役立たずだっていうのが事実だったら、それがなんだっていうの?」「それって重要なこと?」と言い放った言葉が印象的。世界はまっすぐじゃなく、だれもがそれぞれの業を抱えて生きていて、いろんなことが人生に降りかかる。公平じゃないことも、人生に降りかかる。でも、だからなんなの?と言い切れる彼女の強さ、潔さはとても清々しい。 

0
2022年05月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読者モニターとしてゲラを読ませていただいた。
お世辞抜きで言うが、どれだけ低く見積もったとしても最っっ高に楽しかった。特にオープニングから失意のどん底となり一度ニューヨークを離れるまではこちらとしては「読んで」いるのに、確かに「見えたし、聞こえた」と感じる程。次々と現れる魅力的な人々とのやりとりや夜の街に繰り出しての狂乱にはワクワクしっぱなしで先を先をと読み進めた。

後半ではアンジェラが誰なのかがわかった事で色々なピースが次々とハマっていき最高のカタルシスを感じることができた。

0
2021年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

半分読んだくらいから面白くて止まらなくなった。

癖の強いプロフェッショナルが作り上げるショービジネスの世界。

Eat,Pray,Laveの作家の方の作品。テンポが良くて読みやすいが前半3分の2は人物描写や主人公の考察が浅くて重みがない。
衣装作りの才能と若さと美しさがあって多少問題を起こしても、太い家族の力でニューヨークに居場所を提供してもらえる、特権階級の甘えた子供。浅はかで未熟な彼女よやうな人間が失敗を起こす。

尊敬する大人の女性に、「あなたはひとかどの人間にはなれない。あなたの人生は特別に重要じゃない(あなたは永遠に雑魚)」と言われるところは、その通りなんだけどなんとも言えない(しかしこんな呪いを他人にかけられてひとかどの人間になれない人生を送る義理はないのだ)

不倫に対して浮気相手である20そこそこの女の子2人は社会から追放するのに、いい年したヒモクズ男はお咎めなしという謎。

リベンジフェーズがあって良かった。兄弟がいたらなぜ優秀な彼ではなく私が生きているんだろうという気持ちはわかる。無くなって悲しいのではなく、生きてる間に十分な関係を築けなかったことが悲しい。

最後意外な方向に話が進んだ。まさかの友人の数々と、ちょいちょい挟まれる日本とのコラボ。古い時代の話のようだけど、フェミニズムや同性愛、ジェンダーステレオタイプからの解放など原題に通じるテーマが散りばめられていた。図太く生きてこそ


0
2024年10月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

202104/モニターゲラ読み。登場人物達の設定やキャラ描写が見事なので、年代も舞台も身近なものではないのに、この世界に入り込んで楽しめた。タイトルは「女たち」だけど、対比して書かれる「男たち」もまたそういうふうにしか生きられなかった所はあると思う。恥や失敗を繰り返し年齢を重ねていく程、主人公ヴィヴィアンの言葉がささる。ある人物に語り掛ける形で書かれている文体も面白い。

0
2021年08月05日

「小説」ランキング