あらすじ
ガソリン車の廃止 世界規模の再編
日本経済の大黒柱は大丈夫か
世界の自動車産業を知り尽くすコンサルタント・ジャーナリストの描く未来
5年後の日本を走る車は……?
忖度なしに「自動車業界」の現状を描く
(主な内容)
日本車メーカーはなぜ安泰ではいられないのか
100年に一度の大変化――CASEの本当の意味
カーボンニュートラルに出遅れた日本
豊田章男トヨタ社長「渾身のメッセージ」の真意
クルマは「IoT」の「oT」になる
水平分業の大波で衰退した「家電業界」の悪夢再び
自社の技術よりも「社会的課題から考える力」が重要
スマートシティ戦略のフォード、自動運転を取りにいくGM
テスラとGAFAが引き起こした「モビリティ大戦争」
自動運転――日本の技術は本当に世界一か
急遽、会社を一から再編する欧州の自動車産業
下請け(サプライヤー)がメーカーより強くなる時代
もはや大衆車ではない。中国メーカーの高級車路線
「優秀なエンジン」だけでは勝てない現実
トヨタ・日産・ホンダそれぞれの「死角」
日本の自動車産業が克服すべき5つの弱点 ほか
GDPの1割を占める巨大産業の「生存戦略」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本の自動車メーカー、大丈夫なんだろうか… ここまでいろんなことがもうすでにされている(特に欧州・中国で)とは思っていなかった。日本の(悪い意味での)”ガラパゴス”ぶりが恐ろしい。。
Posted by ブクログ
エクセレント!自動車産業の戦略論でありながら日本経済の再生論として出色!世界がデジタル・環境課題対応へ向かう中、日本はガラパゴス、失われた30年が続く ガソリン車販売の停止」は亡国へ
1.自動車の大変革期 ドイツは2010年から長期戦略プロジェクト
日本は長期戦略が出来ない 政治も官僚も短視眼・対症療法
2.付加価値はHardからSoftへ
EVでモジュール組立産業へ
垂直統合型産業の終わり
3.ノキアの教訓☆(128) 大ショックの話だが最も納得
ガラケー→スマートフォン
Hardから「アプリ」Softへ付加価値が移った
Apple・GoogleはOSを支配
4.どこで勝負するのか
世界の中で優位性を確立する
Posted by ブクログ
全て形あるものは、IoTにおける、
Tになる。それは、自動車も例外ではない。
私自身注目してきた、ドイツの
ZFという会社は、ドイツ語で歯車工場
という意味だと知った。
歯車工場が、アメリカの電気系に強い
メーカーを買ってからの躍進は、
やはり、これからも注目したい。
上のZFもそうだが、自動車しか作れない
自動車メーカーよりも、自動車パーツも作れる
パーツメーカーの動きは面白い。
ボッシュは、多面的な製品群を活かして、
ソフトウェア技術でつなぎ、スマートシティを
狙うようだ。
技術を誇るのではなく、世界観を
提示する。これがこの先、製造業に
必要なこと。
Posted by ブクログ
caseについて書かれた最新の本。
アメリカ、中国、ドイツの会社たちがどのようにコネクテッド、オートメーション、シェアリング、ソフトウェア、エレクトロニックに立ち向かっているかが書かれている。
これを見るとドイツとアメリカ(テスラ筆頭)がリードをしているように感じる。日本は対して、エンジン志向が強くそれぞれの部品メーカーもただの下請けでコネクテッドしていく様子が見られない。
オープンイノベーションをうまく活かしながらも国策の後押しを受ける上記の国々の今後に注目だし、日本でも進むと嬉しい。
大きい会社が変わることは大変だと思うが、それらが一新し、今現在先頭に立とうとする姿(GMやフォルクワーゲン、ダイムラー)はかっこいい。
Posted by ブクログ
1980年代に日本は、世界第二位の経済大国として、自動車、電機、半導体、鉄鋼、造船、石油化学など、各基幹産業が世界的な競争力を保持していた。
それが1990年代以降、一つまた一つと日本の基幹産業は国際競争力を失っていった。象徴的なものは「ガラパゴス携帯」と呼ばれる携帯電話である。外国の携帯電話はゴツくて使いにくいので、日本の携帯電話が世界中で売られていた。ナビも日本の製品と海外の生菌には明らかな格差があり、外国製の携帯電やナビはとても使える代物では無かった。外車のナビの性能が悪かったので日本製にわざわざ付け替えたものである。
それがスマートフォンの時代になったら、日本の製品は全く売れなくなった。僅かにソニーのエクスペリアが一部の人に利用されているのみで、圧倒的なシェアはアイフォン、やギャラクシーに奪われてしまった。
家電製品も全ての分野で日本製品が世界で売れていた。テレビ、冷蔵庫、洗濯機、あらゆる電化製品の品質の保証は「メイド・イン・ジャパン」だったのだ。
それが現在ではあらゆる最終消費財で、当時の競争力を今も維持しているのはほぼ自動車産業だけになってしまった。
この自動車産業までもが、急速なデジタル化とサプライチェーンの水平分業の流れを受け、その競争力を侵食されている。
この本を読むと、自動車ももはや日本の時代では無くなっていくだろう事が、確実な予測として浮き上がってくる。日本人はモノづくりで成功すると、その成功体験から逃れられない。電気自動車になると、今までの日本車メーカーの垂直統合サプライチェーンを守れないので、本格的なEVの開発販売ではテスラや他の自動車メーカーに相当先に行かれてしまった。
自動車産業もテスラや中国の新興自動車メーカーにその地位を脅かされる時代が来た。解決策について縷々書いてあるが、海外の他メーカーの迫力に勝てるのだろうか?
世界の企業ランキングベスト100に日本企業が一つも入っていないという事態になるのはもはや時間の問題となっている。
Posted by ブクログ
『日本車は生き残れるか』そのメッセージ性の強いタイトルとともに勉強になる本でした。 というのも私恐れながら自動車関連の営業担当をしており、業界勉強のためにこうした書籍から学ばないといけないと思い、読んでみました。
業界関連のメルマガも購読しているので、なんとなくの会社名やキーワードレベルでは接することが出来ていた、というところではあるけれど、まだまだ自分の不勉強が痛感された、というところと、238ページの文庫本サイズにまとめてくださった著者のお二人には感謝だなと思った書籍でした。
ほんと、このような読書レビュを記載することは、はなはだお恥ずかしいレベルでして、機械工学科出身ではあるもののクルマに関しては、申し訳ないですがほとんど興味なく、とにかく仕事のために勉強しております。(ほんと最後の謝辞の部分の川端さんのクルマ愛がすごくて申し訳なくなるレベルです…。 そうなんですよねこのクルマ愛がすごすぎて僕にはつらいという事実もあります…。)
本の概要としては、はじめにの記載で川端さんが今の日本の車産業の危機感およびCASEに関して概要を述べていただいたのち、桑島さんが欧米中国の状況をそれぞれ端的にリポートしていただいた後、最終章で「日本車は生き残れるか」の観点にて川端さんからの課題提起と提言がある、という構成。不勉強な私でもなんとかついていけるレベルにまとめていただいており、はなはだ感謝です。
それとともに、以下のメッセージが、やはり本書の中で重要な位置づけだと思いますので、この部分は先に抜粋引用しておきます。
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これだけは誤解のないように最初に申し添えておくが、本書の執筆は、「欧米では… それに比べて日本では…」という、欧米に比べていかに日本が駄目なのかということを語るような、いわゆる「出羽守(でわのかみ)」が目的では断じてない。そうではなく、日本の自動車産業も一刻も早く、垂直統合のモノづくり至上主義から脱却し、水平分業まで視野に入れた上で、モノづくり以上の付加価値を生み出すことで“日本経済の大黒柱”であり続けてほしいからこそ、書いておきたいと思ったものだ。
日本の自動車産業にはまだまだ戦える素地が残っている。
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さて、改めまして、抜粋引用となります。(自分が勉強のために抜粋するということもあり、皆様にとって有益かどうかは不明です)
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P47
結論めいたことを言えば、これからの時代に日本の自動車産業が目指すべきなのは、「スケーラブル(拡張可能性=ユーザーや仕事の増大に適応できる能力)、かつ、サステナブル(持続可能性のある)な事業の創出」だろう。具体的には「社会の課題を起点とし、事業のあるべき姿や目指すべき方向性を考える」、「社会に必要とされる、意味のある、欲しいと思われるサービスを作り出す」といったことだ。そのためには、自社の技術や製品にこだわらず、買収合併を含めた外部との連携を積極的に推し進めるという選択肢も重要になってくるだろう。
P120
アプティブの場合で言えば、正解かどうかはわからずとも、急速にデジタル化が進行する中で自動車産業の未来を予測し、将来的な自社の立ち位置と付加価値の源となるプロダクトを自ら考え抜き、実現のための必要な能力を身につけるため、必要ならば外部からの技術調達も厭わない――そのプロセスと姿勢こそが重要なのだ。 答えが見つからない中でも、複数のシナリオを予測し、通るべき失敗は早めにクリアし、スピードでは負けないことが彼らにとっての最優先事項なのだ。 「失敗しないこと」が最優先である時代は終わったのである。
P184
コネクテッドカーの本質は自動車と通信インフラ等との接続であり(略)すべてのアプリはOSにより実行される。したがってOSシステムの健全性、安全性はコネクテッドカーの運命を決定するカギである。ゆえに自動車メーカー自身で責任をもって開発すべきである」
P209
このまま独立路線を貫くのはやはり得策ではない。現状の中規模なポジションからの脱却を検討すべきだ。
それがプラスと判断するならば、思い切って四輪事業を資本提携先のGMに売却するくらいのオプションがあってもいい。過去のコアコンピタンスだったエンジン開発部門は、ホンダの開発を引き受ける前提で独立させ、他の自動車メーカーや船舶などのエンジン開発も請け負う。投資回収はあと20年のうちに行い、2030年に究極の高効率エンジンを開発して幕引きをはかる。四輪部門の売却で得た原資をもとに日本の二輪メーカーを束ねて事業を絶対的に強化する――というドラスティックなシナリオを描くほど思い切った改革も視野に入れるくらいの気概がほしい。
P231
デジタルの時代、コネクテッドの時代には、データをオープンに管理し、他社との連携を行うことでデータを共有し、適宜フィードバックを行うことで、よりユーザーが使いやすいプラットフォームに改良し、エコシステム全体の価値を高めていく――というビジネスモデルが一般化する。自動車産業にとっては、その一つの形態がコネクテッドになった時代のモビリティサービスなのだ。
「形のないもの」への偏見を捨てなければ、このエコシステムの中で激化する生存競争にはついていけなくなるだろう。
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Posted by ブクログ
日本の自動車産業(つまり日本)が生き残るには、「ものづくり」信仰から脱却し、社会的課題に対応する企業として存在すること。そして垂直統合から水平分業にシフトすることが必要だと説く。水平分業にシフトするとは工場を持たないメーカーであるアップルのやり方を指しているのでしょうね。
そうなんだろうけど、社会的課題と言ってもそれは「うまいお題目」ってことだし、自社の強みを生かさずどうしろって言うんだろうね。水平分業は個々の製造物の品質が担保できることが条件だと思うけど、その点には言及していない。IPhoneのような絶対的な商品力があればこその話で、そういう観点から言えば、EVよりも水素エンジンに期待したいけどねぇ。それ以前に「何をもって良しとする」かを決める政治の話が先か。日本の最大の弱点はそこだもんね。
Posted by ブクログ
ドイツのDX
M&A オープンイノベーション 組織再編成 顧客接点
ダイムラー シリコンバレー研究所 1995年 音声認識技術も自社
ボッシュ スマートシティによりゼロストレス社会実現
コンチネンタル 車両から得られたデータから分析 収益機会は渡す
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車載OS アリOS スマートハイウェイ スマートシティ
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自動運転 アポロプロジェクト
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ボルボ買収 ダイムラー スマート株50% 自社製車載OS
日本=ものづくり
欧州=世界観 ソリューション モノを活かすプラットフォーム 新しい未来