【感想・ネタバレ】吸血鬼の淫執愛のレビュー

あらすじ

勤務先の新社長・春臣と対面した瞬間、体の奥に強い疼きを覚えた希桜。「ずっと君だけを見ていた」甘く口説かれ首筋に執拗なキス。貫く剛直がもたらす悦楽に啼き喘ぐ日々。深く愛されているうちに前世の記憶が蘇り――。兇刃に斃れた“自分”を抱えて涙する“春臣”。その口元には鋭い牙が……。時を超え再会した二人。「もう絶対に離さない」吸血鬼と人、過去と現在が紡ぐ執愛!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

勤務先の新社長・春臣と出会った瞬間、心も体もなぜか強く惹かれてしまう希桜。
彼の言葉と仕草に既視感を覚える中、夢に見る“知らないはずの記憶”が次第に現実と重なっていく。
明治の世で命を落とした桜子と、彼女を愛し続けて百年待ち続けた吸血鬼・春親。
そして現代で再び巡り合った二人の魂、春臣と希桜。
過去と現在、吸血鬼と人間、永遠と儚さが絡み合う切なくも美しい愛の物語。

最初は幻想的な雰囲気の中に優しい恋の始まりを感じるのに、
中盤からは一気に“別れと再会”という重みのある展開に心を持っていかれました。
ただの転生ものではなく、
**「百年越しにようやく結ばれる恋」**の説得力がしっかりあるのが見事。
春臣(春親)は優しく穏やかで、それでいて心の奥では百年間の孤独と後悔を抱えたまま生きてきた。
彼の「今度こそ守る」「もう二度と離さない」という想いが、ひたすら真っ直ぐで涙が出ました。

希桜(桜子)もまた、前世で果たせなかった想いを抱えて現代を生きる強さがあって、
二人が互いを見つけ、過去の痛みを癒やすように愛し合う姿は、
“救済”という言葉がぴったり。
恋愛の甘さと、魂の繋がりの深さが見事に共存していました。

また、臣桜先生のあとがきに込められた想いにも胸を打たれます。
先生ご自身の“長い冬を経て春を迎えた”経験と重なるように、
この物語もまさに「闇を抜けて光へ還る」愛の形でした。
読む人の心を静かに癒やしてくれる一冊だと思います。

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2025年10月25日

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