あらすじ
ホテルのような設備と接遇を誇る高級老人サロン、〈クラブ・グレーシア〉。施設を取り仕切るケアマネージャーの新海房子は娘のような献身的な態度と巧みな話術で老人たちの心をつかんでゆく。聖母のように見える彼女だが、冷酷で悪意に満ちた素顔を隠していて──。孤独で裕福な高齢者の財産を狙う巧妙な罠。その果てに待つ、恐ろしい最期とは。介護ビジネスに潜む悪を描く社会派ホラー。
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Posted by ブクログ
介護や相続などが盛り込まれた内容にはつい手がのびてしまう。タイトルからよからぬ予感はあったものの恐ろしい内容だった。今や誰もが抱えるであろう問題ではあるけれどこのような小説を読んでしまうと実際に親の介護問題に直面したら疑心暗鬼になってしまう。身内がいなかったり疎遠だったり家族と問題を抱えてたりしたら他人であれ優しくしてくれる人に頼っていくというのは当然だ。中盤までは単なるいい人かもしれない、そうであってと思ったけれど後半にむけてやっぱりか、、というやるせない思いになった。紀藤さんというヒーロー的な人の活躍でやっつけて欲しいという思いはあったけれど真逆の展開。結末は不気味に終わりゾッとする。
Posted by ブクログ
心細いときに、やさしくされたら。こりゃ、イチコロだわ。
もう、気づいたときにはドップリな感じになってそう。
年齢を重ねると判断力も落ちそうだし、他人事とは思えない。こわーい。
Posted by ブクログ
もともとは『ある高齢者の豊かな生活』だったそうですが、えげつなく改題されたものです(笑)。
宅配弁当の申込者の中からターゲットを絞り込む。身寄りの少ない資産家で、在職時の肩書きがいつまでも通用すると信じる、プライドの高い老人。この介護施設に目を付けられたら最後、監禁されて全財産も正気も失う。
しかし認知症って、こんなにも人為的に発症させられるものなのですか。短期間で精神的にも肉体的にも追い込めるのだとしたら、これほど恐ろしいことはありません。現実にないことだとも言い切れず、ぞっとします。
財産を食い尽くされたとしても、本人が幸せな気持ちで死ねるのならそれはそれでいいのではなんて思っていましたが、これは悲惨すぎる。