あらすじ
吉川英治文学新人賞受賞『地の底のヤマ』著者の快作!
目撃者・“見立て屋”刑事・殺人犯。
絡み合った三者の思惑が弾ける衝撃の結末!
電気メーターの検針員の戸田奈津実は、夫とは離婚調停中で、幼稚園に通うひとり娘を育てている。検針担当区域で、ストーカー立てこもりや殺人事件が発生してから、彼女は何者かに見られている確信を持つ。奈津実の相談を受けた一匹オオカミ刑事の穂積は、密かに罠を仕掛けるが……。緊迫のサスペンスノベル。
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Posted by ブクログ
夫 戸田昭伸と離婚調停中の奈津美は検針員の仕事をしているが、殺人事件のあったお宅も訪れていたことから、何者かに監視されているのを感じていた.警察に相談し穂積亮右からアドバイスを受ける.穂積は"見立て屋"と称され、個人行動を黙認されており、彼なりの捜査を続行する.殺人現場の様子から犯人の冷静さを見立てた穂積は衛生服に注目し、個人での購入者を調べる.雑誌記者の諏訪部武貞の行動も調べ、大きな事件後に空き巣事件が発生していた事例を数件見つけた.諏訪部とボイスチェンジャーを使う男との接触も関知しており、昭伸が会社の古い保養施設の管理を担当していることも突き止めた.幼稚園に通う奈津美の娘 満里奈が昭伸に連れ去られたことでストーリーが急展開する.意外な人物が中心になっていることが最後の最後で判明するが、全体が411ページでからくりが判明するのが404ページからだ.楽しめる構成だと感じた.