あらすじ
哀惜の想いで描いた恩師・阿藤伯海への鎮魂歌――川端康成とは東大同級で、上田敏令嬢への恋に破れたためか、生涯独身の漢詩人・阿藤伯海。法政教授時代は斎藤磯雄に、太平洋戦争下の昭和16年から19年まで旧制一高教授時代は、著者・清岡を初め、若き三重野日銀総裁、高木中央大学学長らに、多大な影響を与えた、高雅な人格と美意識を生きた文学者。痛切な哀惜の想いで描かれた、清岡卓行の恩師への「鎮魂歌」。
...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント /
※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く
感情タグBEST3
正に本の醍醐味!
とても美しく、少し悲しさが残る作品でした。人や景色が目に浮かぶようでした。こういう、人へのさりげない愛情の表白って沁々と伝わりました。嘘がない、というのか。本当に綺麗な文章で、勝手に西行花伝の辻邦正さんを清岡さんの上に重ねていました。縁も縁もない私もいつか、先生のお墓参りをしたいです。こんな素晴らしい作品を知らずに人生終わるところでした。中高生の頃から書店で清岡さんの書棚の前を素通りしていた若き日の自分の無能さを、今は呪いたい。間違いなく枕頭の書にさせて頂きます。めが覚めました。清岡さんの歴史か羨ましいです。他の作品も楽しみにお仲間に加わらせて下さい。