あらすじ
店で注文ができない。電話に出るのが怖い。喋ろうとしてどもってしまい、変な人だと思われたくない……話したい言葉がはっきりあるのに、その通りに声が出てこない「吃音」。目に見えず理解されにくいことが当事者を孤独にし、時に自殺に追い込むほど苦しめる。自らも悩んだ著者が、当事者をはじめ家族や同僚、研究者、支援団体に取材を続け、問題に正面から向き合った魂のノンフィクション。(解説・重松清)
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Posted by ブクログ
2021年5月の文庫新刊で店頭に並んでいて、何となく気になり購入しました。解説は重松清さんがされています。
私は吃音について全く無知だったといえます。
例えば吃音の種類:撥音(音をくりかえす)伸音(音をのばす)軟音(音が出ない、出にくい)という調べればすぐに出てくる事すらも知らないでいました。
この作品はノンフィクションで、吃音を持つ人、その家族、治療にあたる人それぞれの目線で実体験とその時々の感情が繊細に綴られています。一つ一つのエピソードはとても重いです。
吃音に馴染みがない私にとってはノンフィクションであることが半ば信じられず、読み終えるのに時間がかかってしまいました。そして、一人一人考え方は違うので、一概にこうだ!という結論は出ません。
それでも読み終えてとても勉強になりました。
言葉にすると空々しいですが、
(思いやりと想像力、コミュニケーション)についてじっくり考えてみる機会にもなります。
トゥレット症候群に悩む人にも参考になるかもしれません。
メモ
・吃音を持つ人は、言葉を発することに緊張する、怖い、不安だという思いがつきまとう。
一見普通に生活できているようだから、困っている事がうまく伝わらず尚更もどかしいと感じる。
・吃音がある事で、いっそ障害者として認定されたいという人もいれば、老年期に入っても治療をして、死ぬまでにどうにか思い通りに話したいという人もいる。
・言葉につっかえた時に、じっくり待って欲しい時もあれば、相手が先に言葉を発してくれて助かる時もあるということ。どちらの場合も体が力み、その後はとても疲れてしまう。
・訓練をじっくりやれば、話し方をコントロールする事でスラスラと話せるようになった方もいる。
・吃音が理由で残酷な嫌がらせを受けることは現在にもある。
・近年はSNSなどの発達もあり、リラックスできる空間、仲間を持つ事ができ、その事が励みになっている。
・吃音の原因はまだ解明されていないが、研究は進められており、染色体がキーワードになるかもしれない。