あらすじ
世界最強のロシア陸軍を相手に勝利を重ね、日本海海戦でバルチック艦隊を完膚なきまでに打ち破った日本の陸海軍。しかし、ヨーロッパにおける明石元二郎大佐の活躍がなければ、日本がロシアとの戦争に勝つことはあり得なかっただろう。将来を嘱望された若き将校に下った密命――それは、辛くも勝ちを拾っている日本を有利な条件で講和へ導くために、遠き欧州の地でロシアの後方を攪乱することであった。誰が敵か味方かもわからず、まさしく孤立無援で手探りの戦いを強いられた明石は、持ち前の粘り強く奔放な性格もあって、一人また一人と同志を増やしていく。はじめは小さかった炎も彼が煽り続けるによって、やがてロシア革命へと燃え広がっていった。その明石の地道な活動こそが、ロシアに戦争継続を断念させたといっても過言ではない。日露戦争の表舞台には現れることのなかった活躍を中心に、「奇略の参謀」明石元二郎の波瀾に満ちた人生を描く長編力作。
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Posted by ブクログ
文字通り、日露戦争でロシアのスパイをしてた明石元二郎の活躍を描いた一冊。
司馬遼太郎の『坂の上の雲』では、「政府の潤沢な資金があれば誰でもできた」みたいな不当に低い評価をされてます。
でも、後にロシア革命に繋がってるわけで、そんなわけないだろうとずっと思ってたのですが、本を読むと微妙な感じ。
本人は「レーニンと会って資金提供した」と晩年語ってたみたいですが、どうも会ったのは事実ですが、ロシア革命に直結したかは微妙なところみたいです
ただ、ロシアの動乱に火をつけたのは確かだし、そういう意味ではやはり面白い人物でした。