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Posted by ブクログ
辛い検査を受けてももっと辛い検査をしている子のことを思って泣けないという著者。それを、読んでる側の大人が泣いちゃいかんと思いつつやはり涙が出てしまいます。
著者が小学三年生であることにまず単純に驚きます。どれほど辛くて悲しくていろんなものを諦めてきていても、自分のために様々なことを我慢したり一生懸命してくれたりする家族を思い、時に口から出そうになる恨みや願いを飲み込んでいるというその精神がとんでもなく成熟していることに。
それまでになるほど海音さんは孤独の中で何度も何度も自分の有り様について考えてきたのだろうとお察しします。ほんの九歳の子がこれ程のことを考える苦しみを思うと、…もう言葉もなくなります。
お母さんお父さんはこの文章を読んだときどう思われたのだろう…その心情を思っても涙が出てしまいます。
伝えなければ、と強く思ったきっかけとなったテーブルの裏のメッセージの力に読み手も震えます。
たったニ平方メートルの世界の中の、その中にあるものの大きさや重さを思います。
よくぞ書いた、よくぞ絵本にして世の中に出してくれましたね。