あらすじ
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小学生と人気絵本作家の感動作。
札幌に暮らす小学3年生の主人公は、生まれたときから脳神経の病気で入退院を繰り返している。入院するとしばらくベッドの上での生活となる。お母さんは一緒にいてくれるが、放射線を使った治療のときは、ガラスを隔てて別々になる。家ではお兄ちゃんが鍵っ子になる。申し訳ない気持ちだ。どうして自分だけが病気なんだろう・・・。そんなある日、海音ちゃんは、病室で大発見をする。わたしはひとりぼっちじゃなかった! 実在の小学3年生が書いた 「子どもノンフィクション文学賞」(北九州市主催)の大賞受賞作品に、当代一の人気絵本作家はたこうしろうが絵をつけた奇跡のコラボレーション。誰も予想できない30-31ページ目の見開きと、ハートウオーミングなラスト。涙なしには読めない感動作。
※この作品はカラーが含まれます。
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Posted by ブクログ
辛い検査を受けてももっと辛い検査をしている子のことを思って泣けないという著者。それを、読んでる側の大人が泣いちゃいかんと思いつつやはり涙が出てしまいます。
著者が小学三年生であることにまず単純に驚きます。どれほど辛くて悲しくていろんなものを諦めてきていても、自分のために様々なことを我慢したり一生懸命してくれたりする家族を思い、時に口から出そうになる恨みや願いを飲み込んでいるというその精神がとんでもなく成熟していることに。
それまでになるほど海音さんは孤独の中で何度も何度も自分の有り様について考えてきたのだろうとお察しします。ほんの九歳の子がこれ程のことを考える苦しみを思うと、…もう言葉もなくなります。
お母さんお父さんはこの文章を読んだときどう思われたのだろう…その心情を思っても涙が出てしまいます。
伝えなければ、と強く思ったきっかけとなったテーブルの裏のメッセージの力に読み手も震えます。
たったニ平方メートルの世界の中の、その中にあるものの大きさや重さを思います。
よくぞ書いた、よくぞ絵本にして世の中に出してくれましたね。