【感想・ネタバレ】エリア88 15のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

セラがエリア88にやってきたとき、サキもラウンデルも、
ミッキーもシンかと思ったのが好きなエピソード。

ジュリオラに呼ばれて同行する安田さん、
銃を用意しているとは言えお人好しな気もするが
彼女が安田さんにしか相談できない、と信用しているところが興味深い。

サキはパイロットたちを
基地を発進したら空中線に持ち込まず脱出しろと全員解雇するが、ミッキーは
「おれは、ずっと昔に死んだよ。もう、とっくの昔にな。今まで墓が なかっただけさ。」
と反転する。
ついてくるグエンに「負けるケンカは やらねェのが 主義だろ」と言うミッキーだが
「もう負けてる ケンカは別よ」と返すのが恰好良い。
「せめて、芝居の幕は自分で おろしたい」というのがグッと来る。
悲劇か喜劇かはあの世で決めても遅くはない、
生まれるときも死ぬときも敵の弾、みんな敵さんまかせで悪いなどもそうだが、言葉のセンスが良くて心に残るものが多い。
重傷のグエンに「運転させてやろうか」と言いながら
察していたミッキー。
結果的にほとんどのパイロットたちが新しい基地へ戻ってきてくれるが
グエンは戻れずに終わる。別れを告げる仲間たち。
「いずれな」と言葉をかけるところもまた、エリハチらしい。

「アスランの戦いは、単なる内輪もめだ。
その内輪もめに
外部の人間をいれたのが、 そもそものまちがいさ。」
と言うサキの言葉は、正しいのだと思う。
父親が死ぬか自分が死ぬかの戦いだった。
しかし彼が言うように、単純に戦争に負けたのではなくて
武器商人のプロジェクト4の仕業というのが事情の違うところだ。
父も自分も生きている現状に”こだわる”のは分かる。
死に損なった自分たち、他人に動かされる祖国。
こうなってはこのまま済ます訳にはいかない。
「パンドラの犯した罪でもっとも重いのは
一番最後に希望をだしてしまった ということだ。」
と言うのがサキらしい。

ボッシュの作戦も、ヨーロッパの経済団体というスポンサーがいて
革命軍側と大統領側にチームに分かれて戦うことで
鉱山の場所を聞き出すために脱出する状況を設定するのが戦争の理由というのが恐ろしい。
プロジェクト4もブラシア軍を装ってアスランを攻撃させ戦争のきっかけを作るわけで。

一方のシンは、折角戦場から開放されたのに、夜中のサイレンで飛び起きてしまう。辛い。
普通に生きていくのは本当に難しいのだろうか。
旅行者の日本人の女の子たちはちょっと厚かましい。
パイロットが心停止したことでシンが緊急で操縦を代わり無事着陸するも、
シンにしみついた飛行機乗りの習性を自覚させる結果になってしまう。
ボッシュとの仕事を受けることを決めてしまうシン。
別れの電話を涼子に入れるのが悲しい。
電話が無いよりは良いだろうが、涼子としては諦めきれず未練が残るだろう。

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2021年04月30日

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