あらすじ
お互いに「働きづらさ」を感じてしまうその前に
「接し方がわからない」「予想外の反応に戸惑う」
大人の発達障害に悩むのは本人だけじゃない。
長年、医療福祉相談員として働いてきた著者が語る、
ともに向き合い、仕事をしていくうえで必要なこととは。
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Posted by ブクログ
(大幅に追記)
タイトルや本の薄さから想像した内容と少し違って、けっこう哲学的なところや、資本主義ってどうなのというところまで話が及んでおり、なかなか刺激的な本だった。発達障害(特性)というものについて、まだいろいろよくわかってないということもわかった。
発達障害“かもしれない”人、つまり、そういう感じするけど、診断されてれっきとした障害者となったわけではない人に対して、会社も管理者も同僚も、何もできないし、そっち側のほうが先に壊れるケースだってある。そういう事実があることを提示したうえで、発達障害というものが人類史においてここ数十年で「発見された」ということから、社会のあり方や、人間とは?ということを考察していた。
大人の発達障害というのは、何らかの特性はあったものの就労してから障害に気づくというもので、「社会的な要求の程度によって現れた症状が、産業社会からの逸脱とみなされる」と理解でき⋯さらにこれを、「穿った見方をすると、産業社会を守ろうとしている、労働の場である会社や職場を防衛しているということになる」とも捉えている。マルクスとか勉強したくなった。「もはや、インクルージョンできない」という章題もすごいと思った。
産業社会(企業)が求める人材と、発達障害の特性は、明らかにマッチしてないそうだ。むしろ痛快な気がした。