【感想・ネタバレ】春を待つのレビュー

あらすじ

愛する家族を喪った者たちの絶望が希望に変わる日。愛する息子を喪い、未来をなくした夫婦は悲しみの果てに離別。平和だった家族は崩壊した。それから数年を経た命日の前日、夫は過去を忘れるために、息子の骨壺を抱え、心が凍てつき暗い家に引き籠る妻を訪ねる。だがその途上、夫は実の両親を亡くした少年と出会い、妻の家に一緒に泊まることに。その日から心に仄かな灯が生まれた。3人の孤独な魂が寄り添う時間のなかで、それぞれの絶望が希望に変わり、夫婦は再生の路に立ち、少年は未来に向かって歩みはじめる。「人は少しずつよくなるしかない、少しずつ幸せになるしかないんだ……」第1回京都文学賞受賞作家であり、NHK『雲霧仁左衛門』など、映画やドラマで絶大な影響力を誇るベテラン脚本家が、人間の業、そしてどん底から這い上がる人の強さと家族の絆を感動的に描く。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

新潟水俣病で親を亡くした主人公の光永。
結婚し息子を設けるが、今度は息子を交通事故で亡くす。
息子を亡くした事実を受け入れられない妻とは離れて暮らすようになる。
息子を納骨するという事をきっかけに妻の元へ向かうが、そこで起こる事が自分自身を見つめ直すきっかけとなる。
この世に生まれてきた理由、親としての想い、人を思いやる気持ちの大切さなど、日本人ならではのハイコンテクストなやり取りではなかなか伝わらない本音が、様々な事象を通じて理解を深めていく。
春を待つというタイトルの意味もすーっと腹落ちする。そんな素敵な作品。

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2021年05月12日

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