あらすじ
血の中に眠る<力>を解き放て。圧倒的な伝説の伝奇アクションが甦る! ――不吉な夢を見る雪山から東京へ。姉の失踪事件を追い、さらに戦火のヴェトナムへ。だがどこへ行っても、竜王翔(りゆうおうかける)は、自分自身を巡る異様な秘密に直面する。〈力(アンタンシテ)〉とは? 〈炎の竜に君臨する王者〉とは? 金色の眼(レジユー・ドール)の男や、迎えの者だという美女は、何を知っているのか? 熱狂を呼んだ伝説の伝奇アクション、ここに復活! <全2巻>
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Posted by ブクログ
笠井潔の作品には学生運動の影響が色濃く出ている。
特に顕著なのは矢吹駆シリーズで、第一作『バイバイ、エンジェル』では連合赤軍事件の主犯永田洋子をモデルにした登場人物が現れる。
また本作の主人公竜王翔の設定は『熾天使の夏』で明かされる駆の過去と似通っている。
翔は山岳ベース事件の当事者であることが物語が進むにつれ明かされる。連合赤軍事件に関して言えば深い関わりのある主人公となっている。山篭りをしている点も矢吹駆と同じである。夢枕獏の『キマイラ』シリーズでも主人公は山篭りをしていた。山篭りで修業は一昔前の主人公のテンプレなのかも知れない。
物語は主に日本とベトナムで展開される。主題となっているのはベトナム戦争であり、枯れ葉作戦が重要なキーワードとなっている。全てはアメリカの陰謀であり、超能力者を生み出すことが目的だったのだ。
話の流れはスパイ小説的。面白かったが、『ヴァンパイヤー戦争』ほどではなかった。