あらすじ
◆「宇宙・生命の真理はどこまで解明される?」「私たちの生活はどう変わる?」――東京大学の独創的な研究者30人が2050年の世界を読み解きます。文理様々な分野の最先端の世界にふれることができる、はじめての本です。
◆「研究の最終到達点はどこか?」「2030年、2050年にはどうなっているか?」「未来社会にどのようなインパクトを与えるか?」経済学、脳科学、素粒子物理学から、西洋美術史、仏教学まで研究者たちが共通質問に答えていきます。真理の探究の進展、社会へのインパクト、異分野間のコラボレーションについて語り、未来像を描きます。
◆五神真・東大総長と藤原帰一・東大未来ビジョン研究センター長の対談を収録。
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Posted by ブクログ
2050がキーワードの時代
正直、分野が狭すぎで、物足りなかった。
1人割り当ての頁が少ないことが、写真・図など今の時代多用しない言葉の説明では十分な理解が得られない。
もっと続編を作らないと、「霞が関」状態。
なんでも詰め込めばいいというのではない。
東大も先端研究所もあり、正直、全学部全学科教授・助教授。大学院全研究科教授。などそのような専門分野の人にももっと語ってほしい。
もっと濃密な話も、参考文献も充実させるべきであったとおもう。
Posted by ブクログ
今から10年後、30年後、世界はどうなっているだろうか。東京大学の30人の研究者が自身の研究分野の2030年、2050年の姿を予測し、そこから見えてくる未来社会について説く書籍。
現代社会は、知識により新たな価値を作り出す知識集約型社会の側面が強い。
従って、未来社会を展望するには、これから産み出される知識について考える必要がある。
例えば以下のようなもの。
・脳神経科学:
「知覚」や「心」などの脳の本質的な研究は、この30年であまり進んでいない。今後の見通しも懐疑的だ。ただ、脳を操作して活性化させるといった具体的な研究成果は、2050年頃に社会実装されている可能性はある。
・リスク研究:
気候変動キャンペーンの動きが生まれるなど、リスクという考え方には社会を好転させる可能性がある。
一方で、気候変動などに対する認識は世代によって異なる。従って、時間を超えて存在するリスクについては、将来世代に対する影響に注視すべきといえる。
・中国経済:
アジアでは、経済の「成長と統合」から「停滞と分裂」に転換しつつある。中国は2050年には超高齢化社会になり、社会保障、年金の持続性が大きな問題となる。
・ロボット研究:
やわらかい素材でできたロボットを研究する「ソフトロボティクス」の分野においては、2030年では根本的な変革は起きていないだろう。2050年には、ロボットが、家具や乗り物など、ロボットとは見えないような形で社会にとけこんでいる可能性がある。
・国際精神保健・人権政策:
第2次世界大戦後の国際社会は、死亡率の低減や経済発展を優先事項とした。今後は「違い・心・文化」がキーワードになる。これを国際目標にどう組み込むかが、未来社会の在り方に大きく影響を与える。