【感想・ネタバレ】グローバル時代のアメリカ 冷戦時代から21世紀のレビュー

あらすじ

脱工業化を模索する危機の七〇年代,保守化と冷戦の終焉を生んだレーガンの八〇年代,ドットコム・バブルの崩壊と九・一一事件で幕を開ける21世紀…….黄金時代の「アメリカの夢」を失った超大国は,統御不能なグローバル化と和解困難な国内の分極化へ向かう.トランプのアメリカはレーガンの遺産を受け継ぐのか.

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Posted by ブクログ

米国は大統領選挙で活性化する 新しいVISION・戦略に挑戦する
「ドル本位制」を堅持し、世界の盟主であり続けるの基本戦略
=「石油本位制」アラブの支持が不可欠
→「DATA本位制」GAFA+M
トランプ大統領はシェール革命により脱アラブ親イスラエルへ
反環境で世界の潮流には反旗だが、
バイデン大統領は回帰・国際協調路線へ

双子の赤字[財政赤字+貿易赤字]が重荷だが路線は変えられない
リーマンショック後も資産バブルは続いている
ITバブルが本当に花を開かせるか
米国の未来はそこに掛かっている
バイデン大統領はその次に「環境」を用意 間に合うか?

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2022年12月27日

Posted by ブクログ

岩波新書のシリーズアメリカ合衆国史の最終巻。だいぶ刊行が遅れたようだが、無事に出て、まずはご同慶の至り。

待たされた分(?)、内容は非常に濃かったし、勉強になった。著者は1970年代、正確には1973年をアメリカ史の転換点と見る。第1章がその叙述に充てられているが、ここがまず素晴らしく良い。まさにアメリカの衰退の予感、終わりの始まりがこの1970年代初期に求められるという見方には完全同意である。以後、今日まで続くアメリカ社会の変貌は日本の現代史を考える上でも重要なことは論を俟たない。

第2章が「レーガンの時代」、第3章が「グローバル時代の唯一の超大国」、そして第4賞が「21世紀のアメリカ」、と続く。

1961年生まれの自分にとってこの第4巻はまさに同時代史。つい昨日のことのように思い起こされるアメリカ史の流れを碩学の手によって整理され、読めることはありがたい。

さすがに21世紀の話はごく最近の20年なので、やや煩瑣な感じが否めないが、論点がぶれていないので、読みやすかった。

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2020年09月02日

Posted by ブクログ

1973年から2020年の現在まで、つまり冷戦時代から現代までのアメリカを概括する(さすがに大統領選挙までは無理だけど)。オモシロいと思ったのは、各大統領の政策を振り返ることで、各時代を説明できること。そしてグローバル化の進展とともに経済政策が中心になること。オバマ大統領については、経済で語って欲しくなかったけど、それが結果と(つまり他の分野では成果を残せなかった)著者は判断したんだろうね。

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2020年11月14日

Posted by ブクログ

オバマとトランプの共通性という視点は面白かった

著者の言うように、今アメリカは過去からの復讐を受けている。これまでの歴史を踏まえたからこそ現代アメリカの抱える問題がよりはっきりわかるようになった。
通じて、門外漢だけれどもアメリカの動静に興味のある人にとって、学びの多いシリーズとなっていると思う。

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2020年10月27日

Posted by ブクログ

20200930-1023 シリーズ物の第4編(最後)1970年代のアメリカから現在のトランプ政権までアメリカの全体像を描いている。21世紀に入ってからのオバマとトランプという2人の特異な大統領の登場は、アメリカ民主主義所の一つの帰結といえるのではないだろうか。
それにしても、2020年11月の大統領選はトランプか、バイデンか。今のアメリカは、パクス・アメリカーナを享受したころからはかけ離れているような気がする。以下の状況を生み出した原因はグローバリズムの進展とかいくつかあると思うが、私はレーガノミクスに代表される新自由主義の行き過ぎた経済政策も主な原因にあげらると思う。

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2020年10月24日

Posted by ブクログ

 シリーズ最終巻。1970年代のニクソン大統領から直近のトランプまで、現代史ともいうべきおよそ50年間のアメリカについて、時代状況に焦点を当てつつ、主として各大統領時代の外交、内政面について叙述されている。
 スター・ウォーズ構想でソ連と対峙し、双子の赤字で苦しんだレーガン時代辺りから記憶に残っているが、あの出来事はそういうことだったのか、今からだとそういう評価になるのかなどと感じながら読み進めていった。

 グローバル化、新自由主義のような世界的傾向から、依然解消されない人種問題や移民問題、人工妊娠中絶の是非、同性愛者に対する保障、銃器規制等比較的アメリカに特有の問題があるが、多文化主義とナショナルアイデンティティの相剋が、現在のアメリカの社会的分断を招いている状況が、大分理解できるようになった。

 グローバル化の進展により、中産階級の厚みがなくなり格差が拡大していることは世界的傾向であるが、特にアメリカの場合、排外主義につながりかねず深刻な問題である。その上、そうした社会的弱者に応える政策が非常に採られづらい仕組みになってしまっている。
 2010年の連邦最高裁判決では、利益団体による選挙候補者の主張に対する賛否の表明は、憲法によって保護されるべき「自由な言論」行為であるとされた(268〜272ページ)。どういうことかというと、アメリカでは、企業などが政党に直接献金を行うことは禁止されているが、政治活動委員会(PAC)という政治資金団体からは許されている。ただし、これまでは献金額に上限があったのに、同判決は献金額に限度を設けてはならないとした。つまり資金を豊富に出せる大企業のロビー活動によって、例えば富裕税など、その影響力により不都合な政策は潰せるということになる訳である。


 唯一とは言えなくなっているかもしれないが、アメリカはグローバルパワーであり、その動向は世界に影響する。本書はコンパクトな一冊だが、アメリカの現在を知る上でとても参考になると思う。

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2021年04月19日

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