あらすじ
≪雨宿り商店街≫の片隅にたたずむ香水店「Thé et Madeleine(テ・エ・マドレーヌ)」。 店主の父が失踪し、ひとり帰りを待つ大学院生の茉莉(まつり)のもとに、 謎の調香師の青年・立葵(たつき)が、ここで香水店を開きたいとやってくる。 「初恋の人の香り」「お日さまの香り」「勇気が出る香り」 ――立葵が作るオーダーメイドの香水は、 お客様の大切な思い出を蘇らせ、 心にしまった想いを伝え、嘘や悩みごとも見ぬいてしまう。 一緒に働くうちに、 立葵と香水の不思議な魅力に茉莉は惹かれていくが、苦しくもなって――。
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Posted by ブクログ
タイトルと表紙に惹かれて購入しました。
ミステリーの要素もあって、謎を香水が紐解いていく。
香水によって謎が解けた時、読んでいてとてもスッキリしました。
葵(立葵)さんから茉莉ちゃんに届いた香水。
名前の意味を私も調べてしまいました。
2人がこれから会って結ばれるのか想像するだけでワクワクします。続きがあるなら読んでみたいです。
「香りが記憶を呼び覚ます」
私も真中さんや葵(立葵)さんのような調香師にオーダーメイドの香水を作ってもらいたい!
Posted by ブクログ
おもしろかった!
茉莉ちゃんに元カレの存在は必要だったのかと思わなくもない。
香水って苦手だけど、思わず記憶を刺激されてしまうような温かい香りなら、かいでみたい。
Posted by ブクログ
香りの描写が細かくて、読んでいてその香りに癒されるのはお客様だけでなく読者側もだったかなと思う。
何しろお客様の抱えているものが結構重いこともあり(病気や後天的な障害などが出てくる)葵さんが紐解かなければいけない謎も複雑だ。
しかもその葵さんも、そして主人公の茉莉も隠したい「嘘」を抱えていた。
茉莉の嘘はまだしも、葵さんが抱えていたことが意外すぎて大変驚いた。
あの状態で謎解きを、仕事をしていたのかと思うと、彼の天才ぶりは脅威すら覚える。
だからこそ、彼は追い込まれてあんな状態になったのだろう。
それは悲しくもある。
今まで茉莉の件も含めて謎を悩みを解決してきた葵さん自身の嘘を、悩みを茉莉が解決する展開は本当に泣けた。
嗅覚は他の感覚と違う脳の使い方をするという点も、ここで活きてくる。
茉莉を光の世界へ引き上げてくれた彼を、今度は茉莉がその光の世界へ引き上げる。
その場面を見届けることができて本当によかった。
元々は人が二人も亡くなる展開だったというから、最初のお話はもっと暗くて容赦のない展開だったのではないかなと予想する。
書籍版になって、それが光の救いの物語になったのだろう。
最後はみんな笑って過ごせる幸せ満ちたものだった。
だから読者側も癒される素敵な物語になった。
是非読んで、色々癒されて欲しいと思う。
そして香りの魅力に惹かれて欲しいと思う。
公式サイトには後日談もある。
それも素敵な物語なので、併せて読んで欲しい。