【感想・ネタバレ】消えた依頼人のレビュー

あらすじ

弁護士生命を絶たれかねない窮地に立たされた男が打った妙手とは――。四年前、殺人罪に問われた女性の無罪判決を勝ち取り、脚光を浴びた弁護士の大石中也。医療過誤の裁判で、彼は依頼人である原告・長瀬の尋問に向け、準備を整えていた。しかし当日、時間になっても長瀬が法廷に現れず、大石は裁判官や相手の弁護士に頭を下げる破目に。大石が原告の自宅を訪ねると、そこにいた「長瀬」は、昨日まで打ち合わせをしていた原告とは似ても似つかぬ、全くの別人だった。弁護士生命さえ危うい事態に、真相究明に乗り出した大石だったが……。現役弁護士にして、『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞受賞作家が、「法の裏側」と「司法の闇」を抉る! 驚愕のリーガル・サスペンス。

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Posted by ブクログ

【5725/10000】
なんと! これはねぇ
『弁護士ハードボイルド』ですね。
主人公の大石が、ずっと「俺」で語っているのも、私の中ではハードボイルド感が強く残りました。面白かった〜‼︎(寝不足です(^^;;)
本のグループの方の紹介で興味を持ち読みました。著者は、現役の弁護士さんだそうで…なるほどでした。

同時に沢山の案件を抱えているだろう…というのは、うっすら想像していましたが、予想以上の激務。そんな中、別々だと思っていた事件が、徐々に形を変え繋がっていく…その辺が非常に面白く「えっ?えっ?誰が?」って頭の中で確認しながら読んでました。

ここ何年かで、人生で初めて、何回か弁護士さんや、公認会計士さんに、いっぱい相談させていただき、大変大変お世話になりました。(私は小説の中のような費用は払えない、ショボイ依頼人で申し訳なかったですが)
その時、つくづく思ったのは、
「持つべきものは弁護士」ということ!トラブルにおける対処や、知識の量や質がハンパなく違うのですね。

今作の中でビックリしたのが、
「裁判所ではほとんど本人確認は行われない」とか、
「優秀な裁判官こそ、地方に配属される。(少数精鋭)東京はすごく優秀か、逆に問題のある人、2つに分かれるともいえる」とか、
そういうことで、へぇ〜って思いました。

ハードボイルドらしく、痛〜いシーンもあるし、バーのママとお酒を飲むシーンもあり。それぞれのキャラクターも魅力的。私は大石のパートナー弁護士の斉藤澪が、なかなか好きだなぁ。

弁護士は法に則って闘うしかない。法は規範であり従う必要はあるが…納得する必要はない。
そんな言葉が最後に残りました。
法では割り切れない気持ちを抱えて生きていくのが人間だものなぁ…などと思ったのでした。

初読み作家さんでしたが、良かった。また別の作品も読んでみたいです(^^)

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2021年09月17日

Posted by ブクログ

NHK報道記者から弁護士に転職という異色の経歴を持つ著者によるミステリー。タイトルの通り依頼人が法廷に現れず、住所を訪ねたら別人が出てきた所から物語は始まる。しかしそこからは別の2件の依頼がメインに。消えた依頼人の話はどこへ?と戸惑っていると次第にそれらが繋がっていくという構成が面白い。解決の仕方に主人公が弁護士である必然性がある(単に弁護士が独自に事件捜査するタイプの小説ではない)のも良かった。

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2021年04月25日

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