あらすじ
2016年8月、中国は軍事・金融に不可欠な暗号通信技術を搭載した量子科学衛星「墨子」の打ち上げに成功。まだ米国も成し遂げていない快挙だった。宇宙開発技術でロシア、欧州、日本を抜き去った中国は、その実力を外交にも利用。多くの国が軍門に下る結果となっている。迎え撃つ覇者・米国の現状は? そして日本はどう動くのか? 第2次大戦後の宇宙開発の歴史を紐解きながら、「宇宙安保」の最前線に迫る。
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Posted by ブクログ
宇宙の開発の現状と歴史が分かって良かった。I-spaceの活躍を見て読んでみたいと思った。宇宙関連のビジネスはドンドン広がっていて、ベンチャー企業も出てきている。その背景が分かった気がした。最初は軍需産業を相手にしていた半導体産業のように今後は大きく発展するのかもしれない。日本がアメリカとの関係の中でロケットや衛星の開発にブレーキが掛けられていたことも知った。高度に政治的な分野なんだと思った。これからは宇宙の時代になっていくのかな。そう思わせる内容だった。
Posted by ブクログ
主題は非常に扇情的であるが、内容的には副題の方が正しい。
米ソ、中国、そして日本の宇宙に関する政府及び最近の民間の関与の歴史をわかりやすくまとめている。
宇宙に関しては、ともすれば専門用語が多く、かつ政府や軍に関する活動が主なため、公式の堅苦しく退屈な話が多くなりがちであるが、流れをうまく整理した記述となっていたため、退屈せず読むことが出来た。
Posted by ブクログ
現役時代スペースデブリに携わっていたので、会合等で著者を何度がお見かけしたが、宇宙関連の動きを法的な観点から解説した好著だ.傍若無人とも言える中国の活動は、2007年1月の衛星破壊による大量のデブリ発生で全世界から非難を浴びたものの、着実に成果を上げているのは脅威だと感じている.日本も"平和利用"の軛から解放されたことで、世界と同等な活動ができるようになったのは、ある意味で進展だと思うが、あまり認知されていないのも気になる.