あらすじ
リモートワークの導入で、マネジャーが行うマネジメント業務は、さらに難しいものになっています。 元々すべきことが増え、使える時間は減り、慣れたやり方からの脱却が求められる中、リモートへの移行により、マネジャーへの期待と負荷はさらに高まっているのです。 そこで本書は、マネジャーが行う社内のマネジメント、主としてメンバーマネジメントに焦点を当てています。本書のメッセージは、「リモートワークがもたらしたメンバーの変化を知ることで、リモートマネジメントのポイントを知ることができる」「リモートのマネジメントを実践することで、対面でのマネジメントも進化できる」ということです。そんな、現実的で具体的なマネジメントの未来を本書では解説していきます。
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Posted by ブクログ
とても良い本だった。タイトルはリモートマネジメントの教科書であるが、偶然やついでに頼るマネジメントから意図的なマネジメントにシフトするという考え方は、対面でも大いに役立つと思う。
※私はチームリーダーの立場であり、現在の立場におけるスキルアップ、および、将来の管理職に備えての勉強という位置づけで読んだ。
■偶然やついでの機会を生かす従来のマネジメントは、リモートワークでは機能しない。意図して、「個として立つ」「心の距離が近い」「ここがいい」を支援することがリモートマネジメントである。
リモートマネジメントにおいては、丁寧に時間を掛けるところが変わる。業務遂行前の成果や計画の明確化を丁寧に行う、日常では(逐一指示や放置ではなく)メンバーの自律的職務遂行を妨げていることを取り除くことに重点を置く、心の距離が近い状態を作るために、丁寧につながりをつくるなど。
■「個として立つ」のポイント
「個として立つ」=自律的職務遂行+自律的協働+セルフブランディング
①メンバーが自走できるようなゴールを置く
・最初にVQCD (Vision, Quality, Cost, Delivery) をすり合わせる。自組織が短期~長期的に実現したいことをメンバーに共有する。メンバー自身が期末にどうなっていたら良いかを話し合う。
・何かに挑戦したいという思いがあるメンバーや、すべきことばかりをやっていてもエネルギーが沸かないメンバーに対しては、組織とメンバーのwillの接点でゴールを置く。個人的に関心のあるテーマや貢献したいテーマを質問して確認し、組織の将来を作る動きとの接点を見出す。
②メンバー・仕事を見積もり、任せる
メンバーがどれだけ自律的に仕事を進められるかを見積もり、どのあたりで進捗を確認するのが良いかをあらかじめ決める。
細分化した業務を開始する前に進め方をたずねないと不安(Level 1. 新人相当?)。
仕事のゴールと進め方を確認し、定期的に進捗を確認しないと不安だが、細分化した業務ごとでは事後報告で問題ない(Level2. メンターが外れた若手?)。
仕事のゴールやマネジャーとしての期待や要望は確認するが、進め方は任せることができる。細分化した業務ごとの報告は不要で、中間報告と完了時に報告してくれれば問題ない(Level 3. チームリーダー?)。
③成果創出の支援をする
一人では困難なことを、メンバーの側から相談に来てもらうこと。メンバーが求めていないことを先回りして解決する必要はない。
④関与のタイミングを見極める
メンバーにとって良い関与のタイミングは、メンバー自身が一番分かっている。したがって、メンバーに困難や悩みが生じたときに、それを「発信」できるような環境を整えることがポイント。メンバーが情報発信したくなる状況をつくる行動の例は、すべてのコメントに反応すること、メンバーが悪い内容を知らせてくれたらまずは知らせてくれたことにお礼を言うこと、そして、メンバーの報告を起点にマネジャーが支援することなどである。
⑤成果とプロセスを振り返り、メンバーのブランドをつくる
・プロセスの一つとして、「組織にとって良い動き」を評価する。「組織の将来を創っていくような重要な活動や新たな取り組みを、進取の精神で積極的に取り組めているか」と言い換えることができる。リモートワークでは、日常業務に組み込まれていない新たな取り組みや試みが進みづらい、周囲を安心させる責任があるために達成しづらい目標を設定しにくいという状況に陥りやすいため、「組織にとって良い動き」を評価・賞賛することが重要である。
・セルフブランディングは、何ができる人か、得意な領域は何かということを周囲に知ってもらうことである。その道の第一人者といった尖ったブランドである必要はなく、○○の対応が完璧といった日常に根差したものでよい。SNSのハッシュタグのような形で、強みや経験を短い言葉にする。
■「心の距離が近い」のポイント
⑤気にかける
マネジャーの側からメンバーの情報(最近の業務やプライベートの状況)を取りに行くことが重要。これができていないと、「何かあればいつでも相談してね」が機能しない。
⑥縦をつなぐ
⑦横をつなぐ
※この二つについては、本書から重要なことがあまり得られなかった。
■「ここがいい」のポイント
※「個として立つ」と「心の距離が近い」ができているマネージャー向けの発展課題という扱いであるため、スキップした。
Posted by ブクログ
全員出社でのマネジメントであれば毎日顔を合わせているのである意味場当たり的なマネジメントでも成り立ってきたが、リモートワークではそれは通じないとして、もっとマネジメントの本質に迫り、さらに遠隔とい事情に配慮する必要があると説きます。ここでの肝はメンバーを自立させることそしてもう一つはメンバーの心の距離を近く保ち組織をまとめることとして、詳細にするべきことが説明されてますが、なんちゃってマネジャ(管理職=偉い人的感性の人)にはかなり敷居が高く厳しい内容と思われます。多くの管理職が直感的にリモートワークを避けたがる(メンバーになるだけ出社を要請する)理由がよく分かります。
Posted by ブクログ
リモートワークを生きる、マネージャーのための本
コロナ禍がもたらした、新しい勤務体系、リモートマネジメント
その試行錯誤、管理、生産性と働き方というものさしを当てている
業務の全体理解、思考の理解や品質といった質としてのリモート対応については、今後の議論だ
本書のメッセージは、以下です。
リモートワークがメンバーにどのような変化をもたらしたかを知ることでリモートマネジメントのポイントを知ることができる
リモートマネジメントを実践することで、対面でのマネジメントも進化できる
リモート時代のマネジメントを身につけることは、マネジャー自身の負荷を小さくするとともに、自身やメンバーが心身穏やかに、力を発揮することにつながります。
気になったのは以下です。
■リモートワークとは
・オフィスワークがベース(全員出社)
・リモートワーク可能な範囲を儲ける(部分、本人次第)
・リモートワークがベース(原則全員リモートワーク)
・それ以外の部署はリモート(原則全員出社だが育児・介護などの場合にリモートワークを認める)
■新たな動き
・オフィスの縮小、廃止、本社への移転
・スーパーフレックス制度(コアタイムなし)
・転勤なしの全国社員
・電子申請、電子印鑑
■マネジメントからの声
・チームで進める仕事に余計な手間が増えた
・メンバーがさぼっている、働き過ぎている
・リモートワークが続いていくと、組織が徐々に弱っていく気がする
■ソロワーク化
・学びの機会が減っていく気がする
・仕事ができている、すすんでいるは、メンバーそれぞれで思っていることが違う
・会社のおかげという気持ちが薄れる
・上司、同僚との業務遂行が難しくなった、距離ができた
■リモートワークとは
・メンバーに自由とそれに伴う責任を負ってもらうこと
⇒自由とは?
①自律的に仕事がしやすくなる
②生活を大事にできる
③安心の場を確保して挑戦できる
⇒責任とは?
①周囲を安心させる責任
②仕事環境をデザインする責任
③心身の健やかさを維持する責任
⇒留意事項 仕事の抱え込み、報連相の遅れ、長時間労働などが起きやすい
⇒帰属意識の低下 他社が魅力的に映る ⇒結果、せっかく育ったメンバーが辞めていく
⇒メンバーが「個として立つ」には
①自律的職務遂行
②自立的協働
③セルフブランディング
■かわらないこと、かわったこと
・かわらないこと マネージャーの役割は変わらない⇒短期中長期の組織の目標の実現への貢献
・かわること
①かかわり方
②時間のかけどころ
③管理の難易度
■場面別、メンバー別リモートマネジメント(抜粋)
・オンラインミーティングがマネージャーの独演会になってしまう
⇒メンバーで時間をシェアすべきものかを事前に判断、配布物で済むなら期限を決めてメンバーがみられるようにする
・新人の受け入れ
⇒仕事を通じて経験を積み、成長できる実感をもってもらる
・カメラオンのルール 基本はオンが基本、社外がいる場合はオン、発言者はオン、朝会のみは、オフでいい とか
■メンバーが個として立つ
①自走できるようなゴール設定
②仕事を見積、任せる
③成果創出の支援をする
④関与のタイミングを見極める
⑤成果とプロセスを振りかえり、メンバーのブランドを作る 成果だけでなくプロセスも評価賞賛する
■心の距離を近くする
⑥気にかける メンバーの情報を自ら取りに行く
⑦縦をつなぐ メンバーとマネジャー自身とつなぐ、会社の方向性をメンバーにつなぐ
⑧横をつなぐ メンバー同士をつなぐ
■ここがいい
⑨パフォーマンス向上に環境づくりで寄与する
⑩ライフを大事にする メンバーの、マネージャーの生活を大事にする
ベテランへの配慮
・敬意をもって接する
・期待をかける
・手加減しない、要望に応える
メンバーへ:要望に応え、制約を取り除く
■リモートワークで何が変わる
役割 ⇒ かわらない
環境 ⇒ かわる
かかわり方 ⇒ かわる
時間のかけどころ ⇒ かわる
マネジメントの難易度 ⇒ あがる
■マネジメントを支援する環境整備
3つの壁
①メリット不在の壁
②業務切り分けの壁
③メンバーをみるメガネの壁
2つの支援
①働き方の選択肢を増やす
②メンバーの自律的な活躍を支援する各種施策を整えること
目次
まえがき
序章 「リモートワーク」の現在地
第1章 リモートワークがもたらす変化とチャンス
第2章 リモートマネジメントとは
第3章 場面別、メンバー別でみるリモートマネジメント
第4章 リモートマネジメントのポイント
第5章 個として立つ
第6章 心の距離が近い
第7章 ここがいい
第8章 これまでのマネジメントとリモートマネジメントの違い
第9章 リモートマネジメントを助ける環境
あとがき
ISBN:9784295405160
出版社:クロスメディア・パブリッシング
判型:4-6
ページ数:302ページ
定価:1680円(本体)
発売日:2021年03月01日
Posted by ブクログ
リモートワークが当たり前になりつつある昨今でどのようにマネジメントが変わったのか知りたくて読んだ。
著者によると、人によって大きく変わったと感じる人もあまり変わらないと感じる人もいるようで、個人的にはあまり変わらないなという印象だった。
ただ、リモートワークだからこそ、新入社員に対して対面では会いにくい人との面談をセッティングするなど、リモートワークの強みを活かした策が学びになった。
あとは、マネジャーとして、何をするべきか。
タイプによって人それぞれで良いとは思うけれど、その中でも最低限押さえておきたいポイントがあると思う。
全てのマネジャーが学び続けているわけではないので、少しでもポイントを伝えていきたい。
Posted by ブクログ
マネジメントされる側の立場だが、リモート下においてマネジメントする側の苦労や不安材料を知りたいと思い手に取った。
具体例と適度な図があり読みやすい。リモート下で働く身としてリンクする状況が多くあり、大変参考になった。
自律度と心の距離、本当に重要だと思う。
Posted by ブクログ
リモートワークの下ではメンバーの責任も増す
①周囲を安心させる責任
②仕事環境をデザインする責任
③心身の健やかさを維持する責任
メンバーの3つの「こ」を意図して支援すること
リモートマネジメントは、リモートワークがもたらすメンバーの変化を支援するために行われます。
改めてリモートマネジメントとは何かを表すと、
・リモートワークは、メンバーに「自由と責任」をもたらし、マネジャーの「偶然やついでの機会を使ったマネジメント」を困難にする
・リモートマネジメントとは、メンバーの3つの「こ」、②個として立つ、②心の距離が近い、③ここがいい、をつくる意図的な支援である
たったこれだけです。
たったこれだけですが、簡単だと言うつもりはありません。ポイントは、3つの 「こ」、そして「意図した支援」です。
3つの「こ」は、メンバーが自身について認知する次の状況であり、メンバーがこう思えるように支援していくのがリモートマネジメントの最も重要な点です。
①個として立つ
②心の距離が近い
③ここがいい
3つの「こ」が目指すメンバーの状態像
①個として立つ
メンバーが、自律的な業務遂行や協働を通じて、組織が目指す方向性に沿った良い動きを行い、成果を上げている状態。メンバーがこれを継続することで、仕事への適応や効力を感じるとともに、メンバーの良い評判、ブランドが蓄積され、新たな成長や挑戦の機会が生まれる。
②心の距離が近い
メンバーが、会社、自組織、他部署の方向性に共感し、 自分の仕事とのつながりを感じられる状態。加えて、 地理的に離れていても、マネジャー、同僚、先輩・後輩、 社内外関係者に、自分の存在が受け入れられており、 そうした「みんな」の存在も感じられる状態。
③ここがいい
「個として立つ」を体現していて、今の会社・組織でなくても活躍できそうな人材が、それでも、「この会社がいい」 「この組織がいい」 「この仕事がいい」 「この仲間がいい」と、自社に留まることを積極的に選択する状態。
※上記の実現に向けては、会社やマネジャーが果たす役割や責任があることはもちろんだが、 リモートワークの進展に伴い、メンバー自身の責任も増す (周囲を安心させる責任/仕事環境をデザインする責任/心身の健やかさを維持する責任)
※つながりを感じられつつ、「つながらない自由」も持てることが、リモートワークの下で 「個として立つ」には重要である(生活空間に仕事が取り込まれるため)
リモートマネジメントになって変わること
ここでは、リモートマネジメントがこれまでのマネジメントと変わる点について説明します。
①関わり方が変わる
②マネジメントの時間のかけどころが変わる
③リモートになると難度が上がる
①関わり方が変わる
「個として立つ」のところで触れましたが、「自律的職務遂行」「自律的協働」「セルフブランディング」というように、リモートワークの下で活躍するメンバー像には、「自律」「セルク」という単語が入ってきます。つまり、マネジメントの関わり方も、メンバーがいかにして頑として立つか、自律するか、を支援するものでなければいけません。
対面の世界ではメンバーとの直接的な接点が多いので、マネジャーがメンバーの行動を直に見て、指導したり軌道修正したりすることが可能でした。しかし、自律を支援しようとしての細かい関与は自律の妨げになる恐れもあります。
②マネジメントの時間のかけどころが変わる
リモートマネジメントにおいては、丁寧に時間をかけてマネジメントするところが変わります。主として変わるのは次のことです。
・業務遂行前の成果や計画の明確化を丁寧に行う
・日常のマネジメントでは、逐一指示するのでも、放置するのでもなく、メンバーの自律的職務遂行を妨げていることを取り除くことに重点を置く
・これまではあまり意識しなくてもできていた、「心の距離が近い」状態をつくる、つまり、丁寧につながりをつくる
・マネジャーをハブとした組織運営から、マネジャーがいなくてもメンバー同士が自律的に協働するような環境整備に力を入れる
・「ここがいい」は、従前はあまり意識されてこなかった活動であるため、意図して行う
このことについては、第8章で改めてご紹介します。
③マネジメントの難度が上がる
これまでのマネジメントから、リモートマネジメントになって変わることの3つ目は、 マネジメントの難度が上がることです。
リモートマネジメントはなぜ難度が上がるのでしょうか。それは、「対面では普通に行われていた、偶然やついでの機会を使ったマネジメント」が難しくなるからです。
まずは偶然の機会を使ったマネジメントについて考えてみましょう。 みなさんもそうだと思いますが、マネジャーは、目や耳からメンバーの情報をたくさん入手しています。
たとえば、次のような感じで、偶然、目にしたり耳にしたりしていた情報を駆使して、メンバーに話しかけるタイミングや、必要な支援を行っているのです。
・「最近、Aさんは『忙しいから話しかけてくれるなオーラ”を出しているな。まずはAさんと一緒に仕事をしている別部署のXさんに様子を聞いてみようかな」
・「Bさんは、社用スマホに電話がかかってくると、ほぼ席を外して会話が聞かれないようにしている。何かお客様との間で問題を抱えているのだろうか」
・「Yさんが、Cさんとの仕事は楽しいと言っていた。似たようなことをZさんも言っていたな。Cさんの良さがいい方向に働くようになったかな」。
次に、ついでの機会を使ったマネジメントです。
ついでの機会の代表は、メンバーとの移動です。メンバーのお客様やパートナー先に同行する機会があれば、その行き帰りに、メンバーの様子を確認したり、指導することが可能です。個々のメンバーとの1対1の場面だけではありません。対面の会議では、時間前に会議室にだんだんと人が集まり、なんとなく近況共有が始まったりします。社内プロジェクトのミーティングが予定より少し早く終わったときに、プロジェクトに所属する専門家に、メンバーが注力している取り組みへの支援をお願いしたことのあるマネジャーもいるでしょう。
しかし、リモートで、メンバーとの移動時間はほとんどありませんし、オンラインミーティングは、雑談なく本題に入ったり、主題からそれた話をしづらかったりします。移動時間が少なくなったことで、オンラインミーティングと次のオンラインミーティングの間に余裕がなく、入室も時間ぴったりになりがちです。
リモートワークでは、ついでの機会自体が減っているのです。
よって、リモートマネジメントでは、偶然やついでの機会を使って行ってきた情報収集や働きかけを「意図して」起こす必要があります。
これは、マネジャーの動き方も変わりますし、場合によっては負担が相当大きくなります。マネジャーの負荷を大きくせずにマネジメントを行うためにも、メンバーが「個として立つ」「心の距離が近い」と感じる、「ここがいい」と思う状態をつくるのに適した働きかけのタイミングを見極め、最終的にはマネジャーがいつもハブにならなくてもメンバー同士が助け合うような環境に近づけることが大事です。
リモートマネジメント
1.「個として立つ」
①メンバーが自走できるようなゴールを置く:VisonQualityCostDeliveryをすり合わせる→組織とメンバーのWillの接点でゴールを置く
②メンバー・仕事を見積り、任せる:メンバーの自律度を見積もる→仕事の肝を確認する
③成果創出の支援をする:阻害要因を取り除く→互助のしくみをつくる
④関与のタイミングを見極める:自身の発信にこだわる→メンバーが発信したくなる状況をつくる
→発信に配慮と感謝を載せること
発信がどのように活用されるかを想像すること
⑤成果とプロセスを 5 振り返り、メンバーのブランドをつくる:成果だけでなくプロセスも評価・賞賛する→メンバーのタグをつくり他の人に共有する
2.「心の距離が近い」
⑥気にかける:メンバーの情報を自ら取りに行く→斜め(クロス)で気にかける
⑦縦をつなぐ:会社や他部署の情報をシェアする→顧客、会社、組織の未来を話し合う
⑧横をつなぐ:職場のルールとツールを決める→互いを知る機会とサイクルをつくる
3.「ここがいい」
⑨メンバーのパフォーマンス向上に環境づくりで寄与する:メンバーのエネルギーを奪う出来事を減らす→メンバーの望みを知り1つでも多く応える
⑩ライフを大事にする:メンバーの生活や仕事以外の活動を大事にする→マネジャー自身のライフを大事にする
Posted by ブクログ
リモートワーク下におけるマネジメントを、構造的な全体像と具体の両方示している良本。万人に理解しやすい構成でおすすめ。
リモートワークはメンバーに「自由と責任」をもたらし、マネージャーの「偶然やついでの機会を使ったマネジメント」を困難にする。
リモートマネジメントとは、メンバーの3つの「こ」をつくる意図的な支援である。
①個として立つ
②心の距離が近い
③ここがいい
リモートマネジメントでは意図してこの3つの「こ」を支援することがポイントになる。
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◯関わり方を変える
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・業務遂行前の成果や計画の明確化を丁寧に行う
・日常のマネジメントは逐一指示や放置でもなく。メンバーの自律的職務思考を妨げる要素を排除する
・心の距離を近づける努力を常に行う
・マネージャーを軸としたハブ組織から、メンバー同士が自律的協調する環境整備を行う
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◯心の距離が近い「雑談」
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①自分の事を知ってもらえる
②自分はこの場所ではなんでも話していい
③自分は職場で受け入れられている
今している仕事とは直結しないことや些細なアイディアを口にしても良いと思ってもらえることが重要と説かれていますが、過去に流行ったティール組織と同様の記述であり、当然のこと。
「縦を繋ぐ:会社や他部署の情報をシェアする」
「気にかける:メンバーの情報を自ら取りにいく」
この辺りもリモート関係なく必要なことですが、リモートだと偶発的にできにくくなるため留意すべき。
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◯メモ
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・リモートワークの良い採り入れ方やリモートと対面のバランスは、企業や職場によって異なる
・リモートワークをソロワーク化してはいけない
┗ メンバーはマネージャーがちゃんと自分を見てくれているのかを気にしている。
・会社や組織、事業のおかげで給与がもらえている感覚が薄くなる