【感想・ネタバレ】社長、会社を誰に、どう継がせますか?~事業承継の新しい教科書~のレビュー

あらすじ

「自分がいつまでも社長をやり続けることはできない」と気づいた社長は、「会社を誰かに引き継がなければ……」ということを漠然と考えます。この本を詳しく調べているあなたが、まさにそういう状況に置かれていることでしょう。

きっかけは人それぞれ。知り合いの社長が突然亡くなって、その後、会社の承継問題が大変だと聞いたとか、たまたま息子に、会社を継ぐ気はあるかと冗談まじりに聞いてみたら、「そんな気はない!」と即答されてしまったとか。あるいは、ご自身の健康診断の結果が思わしくなく「いつまでも現役というわけにはいかない」と思ったのかもしれません。

きっかけはどうあれ、「思い立ったが吉日」です。とくに事業承継問題については、社長が思っている以上に時間もかかりますし、体力勝負の側面もあります。思い立った今が、取り組み時だといえます。

しかし「わかってはいるけど、何をどうすればいいのかわからない」という社長が大勢いらっしゃるようです。

そこで本書は、何からどう考えたらいいのか、どこから手をつけていけばいいのかわからないという社長に向けて、社長の気持ち、素朴な疑問に寄り添って、専門用語を極力使わず、わかりやすく丁寧に解説しました。

事業承継については、法律、財務、税務など、さまざまな専門家の力を借りる必要があります。どんなシーンで、どういった専門家に相談するのがよいのか、相談する際の注意点はどんなことがあるのかといったことについても触れています。

社長にしてみれば、事業や会社を誰かに継がせるということは、一生に一度あるかないか、人生において一大仕事です。経験値もないし、何が正解かを見極めることはとても難しいこと。場合によっては、相談した専門家のサポート内容が、社長の希望に適っているのかどうかということさえもわからないということもあり得ます。

本書は事業承継の専門書ではありません。ですから細かな説明まではしていませんが、専門家がやってくれるサポートの内容や、会社の価値算定の方法が妥当かどうかを見極めるポイントなどについてはしっかりと網羅しています。

「心血注いで育ててきた会社をどう譲ればいいかわからない……」と考えあぐねている社長、本書をそばに置いて、ご自分の考えを整理することから始めてみてください。やるべきこと、決めなければならないことが具体的になるはずです。

さぁ、次の後継者へのバトンタッチに向けて、動き出しましょう。

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Posted by ブクログ

私自身が事業を受け継ぐ可能性について考える必要があり、知識を得るために手に取った本のうちの一つ。タイトルにもある通り、本書は事業の承継を考える社長に向けて書かれている。自分は受け継ぐ側であり立場が異なるが、承継する社長の立場をよく理解しようと思い読んでみた。

本書は、事業承継について考える必要性を感じている社長に向けて、何からどう考えたら良いのか、いったいどこから手をつけていけばについて、社長の気持ち、素朴な疑問に寄り添って、専門用語を極力使わず、わかりやすく丁寧に解説されている。

著者も述べている通り、本書は事業継承の専門書ではない。具体的かつ細かな説明はないが、専門家がやってくれるサポートの内容や、会社の価値算定の方法が妥当かを見極めるポイントについては網羅されている内容となっている。

事業を承継にあたっては、誰に・何を・どうやって承継させるかと、それを実現させる具体的な手続きについての知識が必要になるが、本書は、これから事業承継について考え始める人にとって、取り組むべきことの指針や判断の基準となり得る情報としての概要が記載されている。

実際に事業承継に取り掛かることになると、当然のことながらケースバイケースで当事者としてジタバタすることにはなるだろう。しかしそれでも、本書をきっかけに、事前に想定される課題と現実を照らし合わせることができることは、円滑な承継に向けての大きなアドバンテージだと感じた。

尚、本書は公認会計士とFA(フィナンシャル・アドバイザー)によって書かれている。それも影響してか、解説にはFAの存在意義が強く出ている感もある。だからどうだというわけではないが、一応、こういう解説書を読む際は、どの立場の人が説明しているかということも意識しておくべきではあるだろう。

自分自身、税理士をはじめとしていろいろな人に相談してはアタフタした。そんな中、本書を読んで前提条件としての基本知識を得ることができた。

事業承継についてこれから考えようとしている方には、まず最初に手に取って読むことをお勧めしたい。

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2022年11月08日

Posted by ブクログ

企業オーナーが事業承継を考え始めたとき、一次的に必要な情報を包括的に得られる一冊である。

広く一般的な承継方法である親族内承継や社内承継、M&Aに加え、経営者の外部招聘や、いずれも叶わなかった場合の清算の方法まで丁寧に記されているため、オーナーはあらゆる手段を比較検討し、自社に合ったベストな選択肢を導くことができる。

気になったのは、同じ内容が度々繰り返されるため、少し読みづらさを感じた点と、筆者のM&Aに対する先入観や多少の偏見が垣間見えた点である。

しかし、「事業承継」という大枠を捉える上では、全般的な知識を幅広く得られるため、自社の承継に少しでも不安のある企業オーナーにとって、非常に有益な情報が詰まっていると感じた。

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2022年01月04日

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