あらすじ
兄弟刑事が時を超えて亡き父の汚名を雪ぐ。
津之神西署の巡査部長・高岡守はその夜、港湾部で引き揚げられた刺創のある水死体を見て、思わず自身の目を疑った。遺体は、自らが一カ月前に取り調べたばかりの薬物の売人と思しき男「木村正」だったのだ。すぐさま県警に捜査本部が立ち上がり、守をはじめとした所轄の刑事たちが聞き込みを始めたものの、不可解なことに被害者の名前以外の情報が何一つ得られない状況が続いた。一体、この男は誰なんだ? 捜査が暗礁に乗り上げる中、警察庁から県警に異例とも言える人事で守の兄・剣がやってくる。剣は警察庁の指示で不自然な県警の金の流れを暴くために送り込まれた一方で、その警察庁にも明かさず、汚名を着せられたまま殉職した父の最後の事件を探ろうとしていた。情熱と刑事の誇りを胸に目の前の事件の真実を追う所轄の弟・守と、決して冷静な姿勢を崩すことなく二十一年前の事件の真相に迫ってゆくキャリアの兄・剣。時を隔てた二つの事件が次第に交錯し始めた時、反目しながらそれぞれの捜査を進めていた兄弟を導いたのは、父が遺した一冊のノートだった。
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Posted by ブクログ
面白かった!
小学生の作文から始まって終わりも小学生の作文になってる構成も良かった。
剣と守の正反対なようでそっくりな兄弟の関係性も良い。振り回されるお母さんと奥さんたちは大変だろうけど…
警察内部の闇を暴くってことで、誰が信用できるか分からないなかでお互いだけを信じられた兄弟が亡きお父さんの遺志を継ぐ…
最後は信頼できる仲間たちとドラマティックな作戦で華麗に勝利!ヤクザの幼馴染との関係も好きだった。
クズくんとか小谷野さんとかキャラもみんな良いし映像化したらもっと面白そう。
結末はスッキリ!と行かないのが良いのかな。イチゴちゃん頑張ってほしい。
Posted by ブクログ
2022/4/8
三羽省吾の刑事もの。
結構本気の刑事ものでへーと思う。
普通に面白いけど三羽省吾と言えば愉快なブルーワーカーってイメージだったので。
現場の刑事もブルーワーカーかもしれんけど。
兄弟の確執・父の秘密・刑事の魂みたいなことだったのでいつものいい感じにヘラヘラしたとこなし。
いやおもしろかったけど。とまどいがあった。
Posted by ブクログ
三羽省吾『刑事の遺品』小学館文庫。
同じ警察官ながら全く立場の違う兄弟が、汚名を着せられ、無念のうちに殉職した父親の真実に迫る警察小説。
もう少し硬質の骨太な警察小説かと思ったら、非常に弛い雰囲気であったのが残念。ストーリーも結末も普通かな。
長男の高岡剣は警察庁のキャリアで、次男の高岡守は津之神西署の巡査部長という兄弟。ある日、兄の剣が弟の守が所属する県警に異例の人事で赴任する。剣の指命は不自然な県警の金の流れの調査だったが、密かに15年前に起きた父親の殉職事件の真相を調査していた。一方、弟の守は1か月前に取り調べた薬物の売人の刺殺事件を調査していた。やがて2つの事件が交錯し……
本体価格740円
★★★