あらすじ
福島原発事故後、市民に伝えられるべき情報の多くが隠され、誤った説明が繰り返され、国民不在の場で様々な基準が決められていった。なぜ、これほどまでに「主権者」である国民がないがしろにされたのか。政治家、官僚、メディア、専門家、そして東電などによる事故後の対応を振り返りながら、その構造的問題点を指摘する。
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Posted by ブクログ
そもそも、この国の役人(官僚)達は、私達、主権者をバカにしているのではないか?そう思わせる事象が3.11以降いくつも明らかになって来ている。特に著者が関った東京電力の深夜の記者会見を、当時、ネットを通じ、食い入るように見ていると、この国の「様」(ザマ)に背筋が寒くなる瞬間が幾度もあった。確かに、事故そのものの衝撃もさることながら、私が心の底から恐怖し怒りに震えたのは、この国の統治能力のお粗末さ、そして自分達にとって都合の悪い情報を意図的に操作するあまりにも幼稚な手法。これが世界第三位の経済力を誇り、最先端のテクノロジーに囲まれた先進国で起こりうる事なのかと、そして、民主主義国家で基本的人権を有する国なのかと、強い疑いを抱かずにはいられなくなってしまった。そして、あれから一年と三か月、福島の検証と責任・そして無限に放出されたセシウムをだらしなく散らかしたまま、大飯町の原発を官僚が主導する危なっかしい政治判断で動かそうとしている総理がいる。