あらすじ
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本書は、CDPをビジネスに活用するための知識を一冊にまとめました。CDPに関する技術的な知見から、企業の活用事例までを読み解きながら、「データを活用したマーケティング」について学べる本です。
■CDP(Customer Data Platform)とは
CDPは、オンラインとオフラインの両チャネルにおける顧客の行動データを統合して蓄積し、利活用することのできるデータ分析基盤です。
これからの時代において、増え続ける顧客データを適切に管理し、顧客体験を向上させるために必要不可欠なものとなります。
■本書の特徴
□特徴1:CDPの基礎から丁寧に学べます!
データ活用基盤の構築からデータ収集方法、状態把握まで紹介しています。
・デジタルマーケティングの基礎から丁寧に解説
・マーケティング基盤を構築するための「型」を紹介
・データを活用した顧客把握、分析方法も丁寧に図解
□特徴2:マーケティングへのAI活用方法が身につきます!
データサイエンティストやエンジニアでなくてもすぐに実践できるAI活用方法を解説しています。
・実務に役立つAIツールを紹介
・AIに利用するためのデータのつくり方を解説
・Cloud AutoML Tablesを利用したハンズオンを掲載
□特徴3:豊富な導入事例を紹介!
異なる業種の導入事例を4社掲載しています。
・流通、飲食、金融、エンターテインメント業界の4社を紹介
・CDP導入の背景や活用方法、組織変革を徹底解説
・データ活用による顧客体験を向上させる取り組みを掲載
■本書の構成
1章 ユーザー起点マーケティングの概要
2章 CDPの基本理解
3章 データ活用基盤の構築フロー
4章 データ活用による状態把握・可視化
5章 顧客育成方法
6章 データ活用の効率化
7章 AIを活用した顧客行動予測
8章 業種別にみる導入事例
8-1 流通
8-2 飲食
8-3 金融
8-4 エンターテインメント
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Posted by ブクログ
前半は「CDPとは」から始まる教科書的なものだった。CDPの基礎知識は持っていたので、新たな情報はあまりなかったが、CDPの説明を人にするための情報が図解で整理されていて、わかりやすかった。
CDPの活用目的・CDP導入プロセスで必要な人材要件・主要CDPツール紹介・CDP構築前に確認すべき自社保有データの概観・CDP構築の流れ・目的に合わせた顧客ターゲティングのパターンなどの情報が整理されていた部分は、勉強になったと思う。
Posted by ブクログ
また、自社サイトでもドメインが分かれていると、個客を識別するCookieが異なります。今後の規制を踏まえると、ドメインを統一するべきでしょう。また一方で、Google Chromeブラウザにおいて、同一事業者の異なるドメインでも、同一ドメイン扱いとする属性の開発が進められているとの報道もあり、ドメインを統一せずともユーザーを一意に特定できる可能性もあります。今後の動向に注意していくとよいでしょう。
…データ基盤としてデータを処理していく際には、「生データ(データレイク)」としてデータが存在し、「利用しやすく構造化データ(データウェアハウス)」に加工し、「特定の目的に合わせて作成するデータ(データマート)」というデータ加工・処理のプロセス(データパイプライン)があります。
まず「構造化データ」と「非構造化データ」があります。簡単にいうと「データがテーブル形式で整理されているか」という違いであり、前述している顧客情報/会員情報や購買データなどは、基本的に行と列でデータの値や数字が整理されており、構造化データにあたります。対して画像や音声、PDFなど、データとしてばらばらに存在しているものは非構造化データにあたります。CDPでは構造化データを中心に扱うことが多いでしょう。
また、構造化データには「マスターデータ」と「トランザクションデータ」の2タイプがあります。
マスターデータは、更新頻度が低く基本的な情報が格納されたデータであり、顧客情報/会員情報や商品リスト、店舗リストなどが該当します。
一方、トランザクションデータは、更新頻度が高く出来事の詳細を記録したデータであり、購買履歴やアクセスログが該当します。各データテーブル名には、マスターデータであれば「m_」やトランザクションデータであれば「t_」を付けることがあります。
「心理的ロイヤルティ、アクティブ性」を計測・管理するためには、自社サービスにおいて「顧客がこの行動をしていると、自社(ブランド)を好きなのではないか、興味があるのではないか」と思える指標が望ましいでしょう。具体的な指標のつくり方を説明します。サービス業態にもよりますが、把握可視化Webサイトやアプリに直近で訪れているかn回以上訪れているかというアクセス頻度は指標として柔軟に使用できます。Webサイトやアプリというのはさまざまなマーケティング施策の受け皿になることが多いため、コミュニケーションに応えてくれているか、という観点でみるとよいでしょう。その他ではメルマガを毎月開封していたり、ブランドメッセージが詰まったページを見ているといった売上とは関係ない各種行動量をまとめたり、閾値を決めて分けたりする手法があります。また調査データなどをもとに収集した「ブランドロイヤルティ」を目的変数に、回帰分析し要因となるデータ項目を設定する手法があります。
これは一概に決めきれる指標ではないため、顧客起点に「ブランドを好きでいてくれたらこんな行動してくれるのではないか」という仮説や、実際の優良顧客の行動を何人か見てみると気づくことも出てくるでしょう。
■CDPによる効率化例
1.広告のフリークエンシーコントロール
2.顧客への重複コミュニケーション排除
3.営業活動効率化(オフラインコスト最適化)
4.不正検知による被害縮小
5.専門人材コストの削減
■マーケティング活用における予測目的
予測目的例/予測結果を活用した顧客アプローチ例
購入予測/購入しそうだがまだ購入していない顧客に広告やクーポンなどでコストをかけてアプローチ
契約タイミング予測/予測されたタイミングに合わせて個別アプローチを調整する
特定カテゴリ・ブランド購入予測/予測された特定カテゴリ・ブランドを中心に訴求
特定価格帯購入予測/予測された価格帯中心に商品をレコメンド
重視するこだわり条件予測/予測された条件に合う商品をレコメンド
追加オプション契約予測/追加契約の可能性が高い顧客に対して、個別に営業アプローチ予測された顧客に対して、個別にシーズン限定クーポンなどを発行
翌シーズン購入予測/予測された顧客に対して、個別にシーズン限定クーポンなどを発行
離反・退会・解約予測/離反・退会・解約しそうな顧客には、積極的に個別コミュニケーションをして、離反することを未然に防ぐ