あらすじ
「マザリング」、性別を超え、ケアが必要な者に手を差しのべること――。揺らぐ命に寄り添う母の、孤独と疎外感。この社会で不可視化される、「弱き身体」の居場所とは? 記録されてこなかった妊娠出産期の経験をすくいあげ、「母」の定義を解体し、いまを生きる人々の声から、ケアをめぐる普遍的思考を紡ぐ。イケムラレイコ、イ・ラン、寺尾紗穂、ドミニク・チェンらへの取材も収録。
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Posted by ブクログ
言葉の隙間からこぼれ落ちてしまう身体的な感覚、経験たちを丁寧にすくいとりつつも、あえてまとめきらない、断片たち、のように感じた。
妊娠という自分の体の感覚に敏感になる日々のなかで、都市生活のなかで削ぎ落としていた自然への感覚をとりもどしていくような、不思議な時間の流れに身を浸す感覚。そのなかで、妊娠すること、子を育てること、他者をケアすること、ケアと暴力性、について、何度も読み返して対話しながら、考えたいと思った。
Posted by ブクログ
色々自分の中で考えながら読んだ。
妊娠すること、出産すること、女性として生きることはどういうことなのか。
様々な立場の女性たちから話を聞いて、それを筆者が自分の考えと共に書き記していく。
明確さと自立を求める現代の中で、内へ内へと自分の中に深く印象に残った。
時が経って、また違う経験をした後に読んだら、感じ方は変わると思った。
Posted by ブクログ
母であること、仕事をすること、社会的である事、など、全ての"べき"から自由になれるような、そんな感覚を抱いた。
もっと、自分という存在を素直に受け止めて、流れていこう、その方がいいや、なんて。
もっとゆっくりじっくり読むべき本なのに、急いで読んでしまった。いつか再読したい。
Posted by ブクログ
出産、育児を経験した方のみならず、全ての女性に読んでもらいたい。母にならなくても、母、マザリング体験は誰でもある。この生きにくい世界で、我々はマザリングを通して「今」の自分を再考し、生きていくべきだと感じた。
Posted by ブクログ
なかなかボリュームがある一冊。書評で見つけ読み始めたものの、内容が濃く、重くずっしりとくる。母となる明の部分がクローズアップされがちの中、話すことはタブーとされる母の暗の部分に切り込んでいる。個人的にはイ・ランさんの話に共感することが多かった。