あらすじ
毛利離反の報に、尼子方に大きな衝撃が走った。経久は怒るのも忘れ、茫然としてため息をついた。「やはり元就という男、ひとすじ縄ではいかぬ奴じゃった。毛利家を継ぐのを、なんとしてでも食いとめるべきであった」――わずか一代で山陰の雄となり、山陰に進出して11ヵ国を領有した尼子経久。傑出した将器と深い人間的魅力で人心をつかみ、毛利と死闘を演じた武将の生涯。
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■尼子経久は、その人間的魅力で領国経営を行ったため、後継者たちは領国の維持に苦労し、やがては毛利に侵食され尼子は滅亡してしまった。カリスマはその魅力で組織経営ができるが、組織がシステムになっていないので、カリスマの退場とともに組織が傾く典型的なパターン。
■室町時代の倭寇。彼らが狙ったのは金銀財宝だけでなく書籍類も。持ち帰ると高値で売れるから。このことは当時の日本において大陸の書籍に対する需要が高かったことを示す。
■出雲国特有の問題として出雲大社があること。尼子経久の出雲大社への懐柔策には意表を突かれた。
■毛利元就の先祖である大江広元の活躍の描写あり。そして、その元就がかなり優秀な安芸国の国人土豪として描かれている。
■毛利元就は戦上手の謀略家として描かれている。
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尼子経久が好きで読んでいます。
戦国時代の始まり、実は北条早雲より先に経久は下克上をしたとか。
物語調になっているので読みやすいです。
人に物をポンポンあげたり、部下や使者にも丁寧な口調、態度だったとか。
人となりを知るのが楽しい。
ところで裏表紙の内容紹介が、尼子経久よりも毛利元就の紹介ぽいような…
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尼子のイメージはパッとしないというのが僕の中にありました。
信長の野望では経久の能力が異様に高く中国地方にその名を轟かせたこともあり少し気になって読んでみました。
なかなか関心が惹かれたので今後も中国地方の人物も読んでいこうかと思います。
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尼子経久の生涯をわかりやすく書いた一冊。一代で山陰の雄となったが後年長子の戦死、三男の謀反、孫晴久の郡山城攻めの失敗と必ずしも順風満帆とは言えなかった。最後は尼子滅亡まで書かれている作品。
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尼子経久は地元出雲地方の戦国大名。戦国初期に山陰山陽11州を支配したにも関わらず、PHP文庫歴史人物シリーズくらいでしか取り上げられないマイナーさ。前半は国人による追放・富田城奪還・出雲支配、後半は大内・毛利との攻防。経久死後から尼子滅亡・再興がやや端折られているのが残念。
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尼子氏を、栄華の極みまで高めた経久と、その知恵や振る舞いを伝授しなかったが故、自滅の道を辿らせてしまった息子との対比が、なんとも悲しくもあり、哀れでもある。
さてこのお話、ラストにあの山中鹿之介が登場。
山中鹿之介といえば、池波正太郎の「英雄にっぽん」。
このあとに続けて読むと、さらにおもしろくなるでしょうね。