【感想・ネタバレ】戦時下の外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六のレビュー

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Posted by ブクログ

元外務省、佐藤勝の最も尊敬する外交官吉野文六。青年外交官の目に写ったナチス・ドイツの崩壊。貴重なオーラル・ストーリー。

歴史的な事件であったり平凡に思える日常。そんな中にも人々は暮らしていた忘れ去られた事実がある。オーラル・ヒストリーはそんな当時の空気を復元する作業。

本書は佐藤勝が最も尊敬する外交官だという吉野文六氏。外交の道を選んで派遣されたのが戦中のドイツはベルリン。語学研修のためであったが否応なくナチス・ドイツの崩壊に巻き込まれることとなる。

聞きに直面した際には人間の本性が表れる。戦犯となる三国同盟推進の立役者の一人、大島大使やリッベントロップ外相の行動は何とも。

吉野文六は、沖縄返還時の外務省アメリカ局長。沖縄返還密約問題に関し貴重な証言を残している。

官僚の隠蔽体質に抵抗し歴史に謙虚な姿勢。一校から帝大ではない独自の視点。
佐藤優の引き出しの力もあり、歴史にの狭間に光をあてた、貴重なオーラル・ヒストリーに仕上がっている。

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2022年03月14日

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